岩手県の銘菓「かもめの玉子」を製造・販売する「さいとう製菓」が2025年3月3日、岩手県大船渡市で続いている山林火災の影響を受けての「お知らせ」を公開した。
「緊迫した状況が続いております」
さいとう製菓は、1951年に開発された岩手県の銘菓「かもめの玉子」などで知られる。黄味餡をカステラ生地で包んで焼き上げ、全体をホワイトチョコでコーティングした卵型の「かもめの玉子」はお土産としてだけでなく、物産展などでも販売され、日本全国で親しまれている。
同社は3日、公式ホームページを通じ、2月末から続いている大船渡市の山林火災の影響を受け「大船渡市の林野火災に伴う製造、営業、販売等について」とのお知らせを公開した。
「現在、直接的な被害はございませんが、近隣エリアが既に避難指示が出ており緊迫した状況が続いております」といい、予断を許さない状況にあるという。
「今後、本社や工場に立ち入り禁止となった場合には、当面の間、商品が製造出来ない可能性がございます。また、スムーズな対応が滞る事も懸念されます。ご理解の程宜しくお願い申し上げます」
同社総本店の「かもめテラス」は、当面の間、時短営業を行うという。
SNSでは、「かもめの玉子作ってるお菓子屋さんの工場まで火が迫ってるそうで... 早く鎮火してほしい」「あのかもめの玉子が!? 火災の終息と普通の生活が一日も早く戻りますように」など、心配の声が相次いだ。
「東日本大震災の津波の被害も受けたよね...」
同社は、1960年5月に三陸海岸を襲ったチリ地震津波によって、大きな被害を受けた。2011年の東日本大震災でも被害を受け、復興にも力を注いできた。
こうした背景から、「さいとう製菓さん、チリ地震と東日本大震災の二度の津波に遭っていて、東日本大震災の際には無事だった倉庫からかき集めた『かもめの玉子』を避難所や高齢者施設に配布してくださったんですよね 以来見かけたら必ず購入するようにしています。どうか皆さまご安全に」「かもめの玉子の会社は確か東日本大震災の津波の被害も受けたよね...。何とか営業再開して欲しい。30年近く前に初めて食べた時はその美味しさに衝撃を受けたものよ」など、無事を祈るファンも多い。