文庫本もはや安くもコンパクトでもない 1冊1000円超える時代、売れ行き不振に頭抱える出版社

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赤字をカバーしていた文庫本が赤字に

   文庫本は電車や飛行機、街中で人待ちの時などに読まれてきたが、今はスマホで足りるし、持ち歩きの邪魔にならないということでは、こちらの方がコンパクトだ。さらに、電子書籍は文字サイズも好みに合わせて変更できる。「近頃はもっぱらタブレットのこっち」という中高年の本好きも増えているという。

   文庫本の販売減の直撃を受けているのは文芸系の出版社である。文芸誌は赤字、単行本で黒字になるのは数冊に1冊という苦戦を、文庫本でカバーしているのだが、その文庫本が売れなくなっていよいよ厳しい。出版社によっては文庫本の用紙を他社と共通化してコストを下げたり、電子書籍に大きくシフトしたりしているが、苦境は変わらない。

   ところで、公立図書館で同じ小説の単行本と文庫本の両方を貸し出しているが、図書館に置くのは単行本だけ、文庫本は仕入れ内で、読みたい利用者は買ってくださいというのではだめだろうか。

(シニアエディター 関口一喜)

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