プロ野球DeNAの元ヘッドコーチで野球解説者の高木豊氏(66)が2025年2月27日にユーチューブを更新し、春季キャンプを総評する中で、今季から巨人の作戦戦略コーチとなった橋上秀樹氏(59)を絶賛した。
「非常に緊張感を保ちながらいい練習をしていた」
野球解説者として巨人の春季キャンプを取材した高木氏。キャンプでは阿部慎之助監督(45)に密着し、若手に対する指導方針などを確認したという。
高木氏は「阿部監督にじっくり話を聞くことができた」と前置きし、阿部監督の指導法について、次のように語った。
「『(阿部監督は)人に勝っていかなくてはいけないのに、厳しさがないというのは考えられない』と言うんだよ。俺も同意見。人に勝っていく、人の上に立っていく、人を倒していく。これには厳しさが必要。その厳しさを若手に持ってもらいたい。(阿部監督は)そういう願いを持っていた」
そして、今キャンプのチームの雰囲気に関して、こう言及した。
「(阿部監督は)理不尽に厳しくはないが、『ユニフォームを泥んこにしろ』とかは言っていた。無駄だと思っても、ちょっとでも可能性があったら、飛びついてみるとか。そういう球際にも挑戦してほしいと。すごくいい指導をしているなと思った。だから、すごく納得した。もう本当にへらへらなんてしていない。非常に緊張感を保ちながらいい練習をしていた」
高木氏は選手だけでなく、首脳陣の動向にも言及。中でも注目したのが、橋上コーチだ。
「何を言っても、何を提案してもたぶん受け入れやすい」
東京・安田学園高校出身の橋上コーチは、阿部監督の高校の先輩にあたる。高校3年時の83年ドラフト会議でヤクルトに3位で指名され入団。現役時代は、ヤクルト、日本ハム、阪神でプレーした。ヤクルトでは、故野村克也監督の指導を受け、「ID野球」を学んだ。
現役引退後の05年に楽天のコーチに就任。07年には野村克也監督のもと、ヘッドコーチを務めた。その後、巨人、ヤクルト、西武のコーチを歴任し、13年に開催されたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本代表コーチを務めた。
このような経歴を踏まえ、高木氏は橋上氏のコーチとしての能力について、次のように私見を述べた。
「阿部監督は昨年より二岡(智宏)ヘッドに任せている感じがあって、すごく余裕を感じた。そこにプラス、橋上という作戦コーチが入った。橋上は優秀だな。阿部監督と話をしている。俺は常に阿部監督のそばにいさせてもらったから、(橋上コーチの)話し方で、優秀さがわかる。これは監督を逆立てないとか、落ち着かせるとか。そういうしゃべりをしている。何を言っても、何を提案してもたぶん受け入れやすい」
そして、こう付け加えた。
「橋上がそういう人たちと話しているのを初めて聞いたけど、納得した。この人は優秀だと。トライアングルというか、阿部監督、二岡、橋上という。いいなと思った」
阿部監督1年目の昨シーズンは、リーグ優勝を果たしたものの、クライマックスシリーズ(CS)でDeNAに下剋上を許し日本シリーズ進出を逃した。今季は心強い「参謀」の力を借り、リーグ連覇と日本一を目指していく。