パーティー券の売り上げを還流する形で裏金を作っていた自民党安倍派の政治資金疑惑を解明するため、衆院予算委員会の安住淳委員長と与野党理事は2025年2月27日、東京都内のホテルで旧安倍派の会計責任者・松本淳一郎氏から参考人聴取した。焦点は、安倍晋三元首相の指示で2022年4月にいったんは還流を中止しながら、安倍氏の死去後に再開を決めたのは誰の指示だったのかという点だが、松本氏は「再開は安部派幹部から求められた」としながらも、具体名は明らかにしなかった。ただ「今は現職議員ではない」と説明したという。
TBSスペシャルコメンテーターの星浩氏(ジャーナリスト)は、27日夜の情報番組「Nスタ」(TBS系)で、「(議員の)立件の手続きを進めるべきだ」と求めた。
「悪いことやっているという自覚があった」
松本氏が再開を決めたとしている22年8月の安部派幹部会合には4人が出席しており、そのうち現職議員でないのは塩谷立元文科相と下村博文科相だ。2人は「安部派内に再開を求める声があることを松本氏に伝えた」ことは認めているが、「自分が再開を指示したことはない」としている。ということは、塩谷氏と下村氏に、還流再開を松本氏に伝えるよう働きかけた人物がいたことになる。
星氏はこう指摘する。
「1回、キックバックをやめようと確認して、そのあと再開したわけですよね。やめようと確認したということは、悪いことをやっているという自覚があったわけです。違法なことをやっていると。ということは、これは法的に立件される可能性があるわけですね。それでみんな逃げ腰になっているんです」と解説した。