上司や人事は、メンタル休職後のキャリアをイメージさせるべき
――休職後に退職する割合が20代では半数近くに達しますが、上司としても悩ましいですね。上司は、若手社員が休職を申し出たら、離職を覚悟しなくてはならないのでしょうか。その際、上司はどういう対応をとったらよいでしょうか。また、会社として若手社員のメンタルケアに力を入れるには、どういう対策が必要と考えますか。
金本麻里さん もともと職場の何らかのストレスが原因でメンタルヘルス不調になっている人が多いので、休職期間中に転職や退職を検討する20代が多いのはうなずけます。
また、休職・復職についてよく知らない若手が多いこともあり、メンタル休職がキャリア形成にマイナスになるのではないか、復職後に周囲の対応が変わってしまうのではないかなど、不安をもつ人が多いです。
上司や人事としては、復職時の配置や仕事内容の決め方、情報共有の範囲、評価や昇進・昇格への影響など、復職後どうなるのかというイメージを共有し、不安をとりのぞくことが重要になると思います。
――なるほど。上司や人事も手をこまねいてばかりいないで、先手を打って不安を取り除くことが大切ですね。
金本麻里さん メンタルヘルス対策は、50人以上の会社はどこもストレスチェックをはじめとして行っている状況ですが、あと一歩の情報共有が足りておらず、ギリギリまで相談せず悪化する人や退職する人が後をたたない状況だと思います。
これは、とてももったいないことです。上司や人事は、何かあれば自分から相談してくるだろうと考えず、相談のハードルを下げる情報共有(自社のメンタルヘルス対応方針や相談してよくなった事例など)や、声掛けなどが重要だと思います。