「薬不足」ずっと続いたまま今も ジェネリック薬メーカーが急に増産できない事情

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多品種少量生産はまだまだ続く

   薬価も重くのしかかる。年々引き下げられる薬価によって、企業の利益は減少していく。少しでも利益を得ようとして、また別の薬の製造を手掛けることで事業を維持する――。「多品種少量生産」が一段と進むという構図である。50種類以上の薬を供給している企業は40社に上るという。

   安定供給には抜本的な構造改革が必要だ。遅ればせながら、政府は2024年末に策定した今年度補正予算に「後発薬の産業構造改革」として70億円を計上した。厚労省は後発薬業界について(1)少量多品目生産などの非効率な生産構造(2)製造ラインに余力がなく、増産対応が困難――と分析したうえで、品目統合など計画的な生産性向上に取り組む企業への支援や、企業同士の連携・協力、再編を促す施策を進めるという。このほか、増産に必要な設備整備費・人件費を補助する緊急支援に20億円も盛り込んだ。

   医薬品不足の解決には、まだ時間がかかりそうだ。

(フリーライター 倉井建太)

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