天皇陛下は2025年2月23日、65歳の誕生日を迎えた。これに先立つ2月20日に行われた記者会見で、4月に筑波大(茨城県つくば市)に入学する秋篠宮家の長男悠仁さまについて、自らの経験と重ねながら「実り多い学生生活を送ってほしい」とエールを送った。
25年は戦後80年の節目。天皇陛下は戦後生まれだが、上皇さまの気持ちを受け継いで「象徴としての責務を果たすべく、なお一層努めてまいりたい」などと話した。
大学生活通じて「年齢の幅もある様々な人と出会うことができた」
24年12月、悠仁さまは筑波大生命環境学群の生物学類に推薦入試で合格。天皇陛下は、宮内記者会からの「ご自身のご経験を振り返り、どのような学生生活を送られてほしいと思われますか」という質問に答える形で、悠仁さまの進学が決まったことを「嬉しく思っています」と話した。
天皇陛下は1982年に学習院大学文学部史学科を卒業。当時を
「専門の日本史の研究や部活動としてのオーケストラでの練習などを通じて、年齢の幅もある様々な人と出会うことができたと思います。そして、様々な背景や関心を持った先生方や友人たちから多くのことを学びました」
と振り返った。大学時代は中世の瀬戸内海の水上交通を研究し、83年から85年にかけて留学した英オックスフォード大マートン・カレッジではテムズ川の水上交通史を研究している。こういった経緯が
「現在も取り組んでいるより広い分野での水問題へと発展していったように思います」
と話した。
その上で、
「大学生活を通して、本当に自分がやりたいことを見つけるとともに、様々な人と出会い、自身の将来をしっかり見つめつつ、実り多い学生生活を送ってほしいと願っております」
とエールを送っていた。
戦後生まれの天皇陛下「上皇陛下のお気持ちをしっかりと受け継ぎ」
戦後80年については、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)のノーベル平和賞受賞にも触れながら、
「私は、日本国および日本国民統合の象徴として、上皇陛下のお気持ちをしっかりと受け継ぎ、常に国民を思い、国民に寄り添いながら、象徴としての責務を果たすべく、なお一層努めてまいりたいと思っております」
などと話した。
(J-CASTニュース編集委員 兼 副編集長 工藤博司)