「笑点」今も視聴率トップ取れる秘密 「大いなるマンネリ」大喜利の舞台裏を探る

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   日本テレビ系の演芸番組「笑点」が絶好調だ。週間視聴率で2025年2月2日放送は個人視聴率トップ、9日放送は世帯視聴率トップ、16日放送はともに僅差で2位だった。60年続く超長寿番組だが、いまも高い人気を維持している秘密は何なのだろう。

  • 立川晴の輔は『笑点』で一躍売れっ子に(画像はXアカウント@t_harenosukeより)
    立川晴の輔は『笑点』で一躍売れっ子に(画像はXアカウント@t_harenosukeより)
  • 立川晴の輔は『笑点』で一躍売れっ子に(画像はXアカウント@t_harenosukeより)

日曜の夕方にのんびり見るにはおあつらえ

   番組後半の大喜利が人気を支えていて、よく言われるのが「大いなるマンネリ」である。最近のお笑いは、やたらに大声を出したり、裸を売り物にしたりで、年配の視聴者からはどこがおもしろいのかわからないという声も多い。「笑点」の大喜利は、7人の落語家が地口(だじゃれ)や共演者いじり、自虐、なりきりキャラなど、ネタは違うが、笑わせ方はいつも同じでベタだ。しかし、そのワンパターンが、日曜の夕方にのんびり見るにはおあつらえということになった。

   大喜利はどんな段取りで演じられるのか。実はぶっつけ本番ではない。数日前に出演者に問題が伝えられ、収録日までに各自がネタを考え、大雑把にリハーサルをやって本番に臨む。収録は土曜日の午後に行われ、1日で2週間分を撮る。

晴の輔もCM出演、笑点に出ると全国区になる

   落語好きからは「あんなのは芸じゃない」なんて言われたりもするが、落語家にとって出演するメリットは大きい。笑点メンバーになると、名前が全国区になるからだ。2024年4月に加わった立川晴の輔(左から4人目のクリーム色の着物)は、それまでテレビではほとんど無名だったが、笑点メンバーになったとたんにチケットの取れない落語家になった。

   これは収入に大きく影響する。「寄席の割(ギャラ)は主任(トリ)の真打でも、多い時で数万円。これだけではやっていけませんから、ホールなどの演芸イベントや独演会の収入であがなうわけですが、チケットの売れ行きを左右するのが知名度と話題性です。そのプロモーションとして、『笑点』は最強です」と演芸評論家は話している。晴の輔は師匠の立川志の輔とともに、「龍角散」のテレビCMにも起用された。本人も1年前には考えられなかった"出世"だろう。

   三遊亭好楽(左から5人目のピンク色の着物)の息子の三遊亭王楽が、2月20日に七代目三遊亭円楽を襲名し、「親子で並んで出てみたい」と話していたが、23日の「笑点」にさっそく出演。大いなるマンネリはいいが、"世襲"はいかがなものか。

(シニアエディター 関口一喜)

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