大会前に心臓病がないかチェックを
安全な競技をめざす日本陸連医事委員会は「マラソン大会における突然死予防プロジェクト」に取り組んでいる。慶応大学などの専門家チームが2024年11月に発表した調査によると、2011~2019年の大会で計69人(男性66人、女性3人)が突然の心停止を起こしていた。そのうち68人が救命されたが、1人は現場での胸骨圧迫とAEDも実らなかった。参加者10万人あたりの心停止発生率は1.7だった。
専門家チームの分析によると、男性参加者の場合、突然の心停止発生率は年齢を重ねるにつれて高くなっていた。「60歳以上は50歳未満と比べて発生率が約6倍も高い」という。このため、特に60歳以上の男性ランナーについて「大会参加前に心臓病がないかのチェックを受けることが重要」と指摘している。
(ジャーナリスト 橋本聡)