2025年の春季キャンプ、ソフトバンクに誤算が相次いでいる。
黄金時代の復活に陰り
昨年は9勝をマークし、開幕先発ローテーションに内定していたカーター・スチュワートが12日に左腹直筋を痛めて離脱した。さらに、不動の遊撃手の今宮健太も13日の練習中に左ふくらはぎを負傷してキャンプ地から離れた。
内野ならどこでもこなす川瀬晃も右膝を負傷して戦線離脱。昨オフに現役ドラフトで獲得した上茶谷大河も右肘の違和感で離脱し、「右肘関節クリーニング手術」を受けた。リハビリから再スタートで実戦復帰まで3、4か月かかる見込みだ。
昨年は日本シリーズでDeNAに敗れたが、シーズン91勝をマークして2位・日本ハムに13.5ゲームの大差をつけ、4年ぶりのリーグ優勝を飾った。圧倒的な戦力で黄金時代の復活を予感させたが、雲行きが怪しくなっている。
昨オフは正捕手の甲斐拓也、先発で活躍した石川柊太がFAで他球団に流出。さらに、キャンプに入って故障者が続出している。
甲斐の移籍、今宮の離脱「簡単に埋まる穴ではない」
他球団の関係者は「甲斐、今宮の2人はチームのキープレーヤーだったので、簡単に埋まる穴ではない。手強い相手はありますが、昨年ほどの圧倒的な強さはないように感じます。混戦に持ち込める可能性は十分にある」と自信を見せる。
捕手は海野隆司、谷川原健太、嶺井博希の併用になるだろう。投手陣は新加入の上沢直之、濱口遥大、若手成長株の松本晴、前田純、前田悠伍に加えてドラフト6位の岩崎峻典アピールしている。遊撃はダウンズが今宮の穴を埋める有力候補になる。
12球団屈指の厚い選手層で、不安を一掃できるか。(中町顕吾)