理系は昨年の2倍、情報通信業界でDX人材の奪い合い
これほど早いペースで進む就職活動、焦らずに自分に合った会社を見つけるにはどうしたらよいか。J-CASTニュースBiz編集部は、調査を行なった就職みらい研究所所長の栗田貴祥さんに話を聞いた。
――これほど急にスピードアップした理由は、ズバリどこにあるのでしょうか。また、今後もスピードアップの傾向は続きますか。
栗田貴祥さん 現行のスケジュールでは、卒業年次の6月1日からが企業の選考活動の開始とされていますので、卒業年次前年の2月1日時点で4割近い内定率の高さはかなり高い状況といえます。
当研究所では、各卒年で、2月から10月まで、毎月内定率を調査していますが、2026年卒の2月の内定率は、2017年卒以降でみても最高値となっています。この内定率の高さは、引き続き、昨今の人手不足による、企業の採用意欲の高まりによるものと考えております。
なんとか採用計画人数を確保しようと、インターンシップ等で早期に接点を持ち、そこから選考活動・内々定出しを実施する企業が増えていることが要因として考えられます。今後に関しては、引き続き採用意欲の高さがうかがえるため、2025年卒より高い内定率で推移していく可能性は十分に考えられます。
――昨年同月に比べると理系の内定率(昨年22%⇒今年44%)が突出して高く、2倍になっています。これはどういう理由でしょうか。内定取得企業の業種をみると、情報通信業がずば抜けて高いですが 、このことと関係があるのでしょうか。
栗田貴祥さん 折からのデジタル化の進展に伴い、DX人材の需要は変わらず高い状況です。この影響から、専門知識を持つ理系の学生に対する需要も増加しています。DX人材の需要が特に顕著な情報通信業界では、その影響が色濃く出ている可能性は十分に考えられます。