肺炎とする虚偽の死亡診断書で患者間の殺人を隠したとして、青森県八戸市の「みちのく記念病院」の元院長・石山隆容疑者(61)と弟で医師の石山哲容疑者(60)が逮捕された事件で、埼玉県警捜査一課の元警部補・佐々木成三氏は、もっと隠したい何かがあるのではないかと指摘した。
2025年2月21日放送の「めざまし8」(フジテレビ系)に出演した佐々木氏は、「(ニセの死亡診断書による殺人の隠ぺいは)医療全体の信頼を揺るがす事案だと思うんです。さらに、病院の信頼を損なう行動をしているわけです。となると、何かそこに対して、それ以上に隠したい何かがあったんだということで、警察はかなり綿密に病院の中での捜査を行ってるんじゃないかと思います」と推測した。
ほかにもニセ診断書まかり通っていた恐れ
さらに、「死体検案書と死亡診断書の違いというのは、異常の有無を医師が判断して、(異常があれば死体検案書で)警察に届け、検視もしくは事件の疑いがある場合は司法解剖です」「(しかし)ニセの死亡診断書が正規に通ると、警察が認知できないんです。今回、内部からの連絡がなければ、死亡診断書のまま火葬されてしまって、警察としても捜査が難しくなっていたという状況です。もしかすると、(これもでも)こういうことがまかり通っていた可能性があるかなと感じますね」と解説した。
捜査では、認知症の医師に書かせた死亡診断書が200枚以上見つかっている。これについても、佐々木氏は「認知症の医師に書かせるには誰が関与していたのか、だれからそれを仲介してやっていたのか」と「どのくらいの時期から常態化していたのか」が事件解明のポイントになるという。事件はまだまだ広がりそうだ。
(シニアエディター 関口一喜)