夏目漱石も愛用した「タカヂアスターゼ」 働く人の「胃」を支える...第一三共ヘルスケアの真摯な研究開発

提供:第一三共ヘルスケア株式会社
第一三共ヘルスケア 瀬戸山陽奈さん(研究センター 固形グループ)と横溝敦志さん(OTC推進部 開発グループ)
第一三共ヘルスケア 瀬戸山陽奈さん(研究センター 固形グループ)と横溝敦志さん(OTC推進部 開発グループ)

   ストレスや緊張に晒されるビジネスパーソンにとって、常備薬のひとつは、胃のむかつきを抑える「胃腸薬」ではないだろうか。酒席、宴席や、大事な商談で胸が張り裂けそうになる緊張感など、胃を悩ませる場面は尽きない。

   そんなビジネスパーソンたちの「胃」を献身的に支える企業が、第一三共ヘルスケアだ。ロングセラー「第一三共胃腸薬」は、およそ130年前に発見・開発された消化酵素をベースに処方設計し、時代の変化にもあわせた絶えざる改良を続けてきた。

   第一三共ヘルスケアの研究員たちは「良いものを作りたい」という真摯な姿勢で研究開発と向き合っている。込められた思いとは――。

高峰譲吉博士が発見・開発した「タカヂアスターゼ」

『吾輩は猫である』にも登場した「タカヂアスターゼ」
『吾輩は猫である』にも登場した「タカヂアスターゼ」

   ロングセラー「第一三共胃腸薬」シリーズ(※)には、糖質やタンパク質の優れた消化作用をもつ「タカヂアスターゼN1」という成分が含まれている。その元となる消化酵素「タカヂアスターゼ」は、夏目漱石の小説『吾輩は猫である』(1905年発表)にも登場することをご存じだろうか。

   『吾輩は猫である』は、主人公の猫・吾輩が、飼い主・苦沙弥(くしゃみ)先生の行動を観察し、その様子が「猫の目線」から描かれる。作中、苦沙弥先生が「大飯を食った後でタカジヤスターゼ(タカヂアスターゼ)を飲む」という描写があるのだ。

   苦沙弥先生のモデルは、夏目漱石とされている。実は、漱石自身も「タカヂアスターゼ」を愛用していたという。100年以上昔を生きた国民的作家も重宝した消化酵素剤が、かたちを変えつつもいまなお使われている――現代の私たちとのつながりを感じさせるエピソードだ。

「第一三共胃腸薬」シリーズ(※)をはじめとする「タカヂアスターゼ」を活用した製品。もたれ、胸やけ、整腸に...「第一三共胃腸薬プラス細粒」(第2類医薬品)など
「第一三共胃腸薬」シリーズ(※)をはじめとする「タカヂアスターゼ」を活用した製品。もたれ、胸やけ、整腸に...「第一三共胃腸薬プラス細粒」(第2類医薬品)など

   「タカヂアスターゼ」は、食べ物に含まれるデンプンを分解する働きがあるため、胃のむかつきを抑えることができる。第一三共の前身、三共株式会社の創業者で初代社長・高峰譲吉博士が1894年に発見・開発した。「タカヂアスターゼ」の「タカ」は、高峰の「タカ」にちなむ。

   1879年に工部大学校化学科(現・東京大学工学部応用化学科)を首席で卒業した高峰譲吉は、アドレナリンの発見者としても知られ、化学・薬学の分野で国際的に大きな足跡を残す。2024年5月には、全米発明家殿堂入りを果たした。また、自身の研究を製品化することで社会貢献にも成功、研究開発型ベンチャーの先駆者とも称されている。

   「タカヂアスターゼ」がデンプンを分解する働きについては、第一三共ヘルスケアのYouTube公式チャンネルで公開されている実験動画がわかりやすい。

   それによれば、水に溶かした白色半透明のデンプン溶液に、赤茶色のヨウ素液を加えると、反応により液体が青色になる。これを2つ用意し、そのうち一方には「タカヂアスターゼ」を入れる。そして、ヒトの体温を再現(40℃で10分間加熱)して変化を見る。その結果、「タカヂアスターゼ」を加えた方だけは、デンプンが分解され、白色半透明に戻った。

   また、水に溶かしたデンプンは、かき混ぜながら加熱すると、粘り気を持つゲル状に変化する。このゲル状のデンプンに「タカヂアスターゼ」を加えてかき混ぜると、デンプンが分解され粘り気がなくなり、サラサラとした液体になった。これらの実験結果が、「タカヂアスターゼ」の優れた分解力を示している。

「タカヂアスターゼ」を加えた方のみデンプンが分解され白色半透明に。
「タカヂアスターゼ」を加えた方のみデンプンが分解され白色半透明に。
粘り気がなくなりサラサラとした液体に。「タカヂアスターゼ」の優れたデンプンの分解力を示している。
粘り気がなくなりサラサラとした液体に。「タカヂアスターゼ」の優れたデンプンの分解力を示している。

世界中の人々の健康で豊かな生活へ貢献

瀬戸山陽奈さん、横溝敦志さん
瀬戸山陽奈さん、横溝敦志さん

   およそ130年前に発見・開発された「タカヂアスターゼ」は、いまも「第一三共胃腸薬」シリーズ(※)をはじめとする同社の製品に活用されている。それは、なぜか。OTC推進部 開発グループの横溝敦志さんは、次のように説明する。

「タカヂアスターゼが非常に有用な成分で、現代でも十分通用するポテンシャルがあるからです。今まで時代にあわせて改良されつつ、胃腸薬に使い続けられてきました」(横溝さん)

   時代にあわせた改良は常に求められるという。

「約130年の間で食や生活のスタイルも変わりますので、タカヂアスターゼはデンプンの消化力だけでなく、タンパク質の消化力も併せ持つ成分に改良されました。また、胃腸薬に利用する時には働きを補う成分も配合して、常に時代にあわせた製品を開発しています」(横溝さん)

   絶えざる改良を続ける――。その根底には、高峰譲吉博士が高い志を持ち、新しい価値をつくる姿勢が同社のDNAとして息づいている。そして、高峰が新技術や製品を通じて社会に貢献したように、現代の研究者たちも社会に役立つ「良いものを作りたい」というモチベーションが高い。

瀬戸山陽奈さん
瀬戸山陽奈さん

   作り手の強い想いがあるからこそ、何度もチャレンジして試行錯誤を重ねながら、優れた製品は生まれるのだ。医薬品の製剤研究に携わる瀬戸山陽奈さん(研究センター 固形グループ)はこう話す。

「(私は研究開発の仕事を通じて)味付け(薬の匂いや苦みを香料や甘味料 等でマスキングする製剤的な工夫)があるような薬に携わることが多いので、『薬を飲むことが苦手』『粉薬は味が嫌だ』など、そういった人にも飲んでもらえるようなものづくりができたらと思っています」(瀬戸山さん)

   世界中の人々の健康で豊かな生活へ貢献したい――。その実現に向けて、第一三共ヘルスケアの研究者たちは、明治期の偉大な創業者の精神を忘れずに、いまも挑戦を続けている。

(※「第一三共胃腸薬グリーン錠」を除く)

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