那須川天心は「井上尚弥を意識する必要はない」...識者が見解 プロ6戦目で前WBO王者モロニーに「挑戦」

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    プロボクシングのWBOアジアパシフィックバンタム級王者の那須川天心(帝拳、26)が2025年2月24日に東京・有明アリーナで前WBO世界同級王者ジェーソン・モロニー(オーストラリア、34)を相手にノンタイトル10回戦を行う。

  • 那須川天心選手(写真:山口フィニート裕朗/アフロ)
    那須川天心選手(写真:山口フィニート裕朗/アフロ)
  • 那須川天心選手(写真:山口フィニート裕朗/アフロ)

「さすがに早いのではないかという声もあると思う」

    試合に先立ち、18日に都内ジムでモロニーが公開練習を行った。

    スポーツ紙の報道によると、モロニーは公開練習後にメディア取材に対応し、「この挑戦をするには、彼はまだ早すぎたと分からせてあげたい」などと那須川にメッセージを送ったという。

    モロニーが警告するように、プロ6戦目で前世界王者への「挑戦」は時期尚早なのか。J-CAST編集部は、多くの世界王者を育てた経験を持つTMKジムの金平桂一郎会長(59)に分析してもらった。

    那須川はキックボクシングからボクシングに転向し、23年4月のデビュー以来、5戦5勝(2KO)。対するモロニーは、豊富なアマチュアキャリアを持ち、プロでは27勝(19KO)3敗の戦績を誇る。

    モロニーの3敗はすべて世界タイトル戦で喫したものだ。20年10月に当時WBA・IBF世界バンタム級王者・井上尚弥(大橋、31)に挑戦して7回KO負け。そして、WBO世界スーパーバンタム級王者時代の24年5月に、武居由樹(大橋、28)の挑戦を受け、判定負けした。

    金平会長は両者のキャリアを踏まえた上で、「キャリア6戦目で元世界王者と対戦するのは、さすがに早いのではないかという声もあると思う」とし、次のように持論を展開した。

「モロニー選手はキャリアがあり、ガッツもある」

    「私は那須川選手のポテンシャルを買っている。ボクシングのセンスが非常にいい。物足りないと指摘されるのは、期待感の表れでもある。そこに透けて見えるのが井上尚弥選手。井上選手のボクシングを見ると、那須川選手は物足りないと言われてしまう。キックボクシング時代の評判が高かっただけに、ボクシングに転向すれば相手をどんどんなぎ倒していくのだろうということから、パワー不足が指摘されたりしてしまう」

    そして、今回のモロニー戦について言及した。

    「那須川選手は井上選手を意識する必要はない。今回も無理してKOを狙う必要はない。那須川選手は、そういうスタイルのボクシングではないのだから。那須川選手は、那須川選手のボクシングを極めれば、必ずその先が見えてくる。井上選手を意識したら、せっかくの那須川選手のボクシングがおかしくなる。それは今回に限らず、ずっと一緒。そしてきっちり勝ち切ることが大切。それができる選手だと思います」

    対戦相手のモロニーは、23年1月に金平会長のジムで亀田和毅(TMK。33)とスパーリングを行ったことがあり、金平会長と親交があるという。モロニーのボクシング、性格を理解した上で、金平会長は試合の展望について、こう語った。

    「モロニー選手はキャリアがあり、ガッツもある。実力をとても評価している。今回は、心中期するものがあるでしょう。前回の武居戦は、慎重になりすぎて手数が足りなかった印象がある。今回は、そういうことを払しょくして向かっていくでしょう。ただ、那須川選手は向かってくる相手を迎え撃つのは上手な選手なので、那須川選手が有利とみます。勢いの那須川選手と、キャリアのモロニー選手でいうと、那須川選手の勢いを買います」

    那須川は世界の主要4団体(WBA・WBC・WBO・IBF)すべての世界ランキングに入っており、元世界王者のモロニーに勝利すれば、世界王座挑戦に大きく近付く。

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