憧れの美女インフルエンサー、実は反社に「囲われ...」 キラキラSNSに溺れる若者が陥る最悪の事態

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   Z世代にとっての「参考書」はSNSやYouTube。テレビや雑誌で情報収集をする時代は過ぎ去り、今はネットから流行を手に入れるのが主流となった。大人たちも情報誌の購入よりSNS検索を優先させるのだから、デジタルに強い若者ならなおのことだろう。

  • キラキラSNSに注意を
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  • 筆者のたかなし亜妖さん
    筆者のたかなし亜妖さん
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「非日常」のような毎日を流す人たち

   SNS上での「娯楽」と呼ばれるカテゴリーでは、基本的にまぶしい投稿ばかりが並ぶ。アカウントを作れば手が届かないような世界をワンクリックで閲覧でき、日本国外の情報だって簡単に手に入る時代だ。うまく使えば自身の可能性を大きく広げることができるSNSは、現代人にとって非常に魅力的なツールである。

   XやInstagram、TikTokでは一般的な日常を投稿するアカウントが過半数を占めるものの、注目を集めるのはやはり「非日常」と言わんばかりの毎日を流す人たち。

   若くしてハイブランドのコスメを買い揃える高校生、海外セレブのような豪邸に住む謎の美女、高級シャンパンを次々と空ける夜職のキャスト、二次元のようなルックスを持つインフルエンサーを見ていると、閲覧者の心には憧れの感情が芽生える。

   この感情が育つと彼らを羨望のまなざしで見るようになり、徐々に「自分もこうなりたい」という願望へと変わりゆく。

   ただ憧れるだけなら何の問題もない。だが、盲目的になると、物事の本質を見抜く力が麻痺しがちだ。投稿はあくまで表面上のものなのに、「どこまでが本当なのか」「彼らの財源は?」という現実的な部分を無視して、感情だけに身を任せて暴走する若者が後を絶たない。

「ネット上で人気の人物」に憧れる

   昨今の夜職ブームなんてのは、SNSの影響をモロに受けた典型例だ。現代っ子はキャストたちの輝かしい投稿を見て繁華街へ飛び込む。

   もっとも、私の周囲で実際に働く人々は、自己ブランディングのためにポジティブさをアピールするのだから、泥臭い部分を表に出すことを絶対にしない。想像を絶する会計の額と高い支持の裏には必ず闇が潜むものだ。しかし、SNSによって「上辺」だけの部分しか読み取れない閲覧者は、深い事情が絡み合う点に気づかない。

   ルックスやフォロワー数の多さだけで売り上げが作れると勘違いし、投稿の内容だけをそのまま受け取ると、次第に「見た目が良ければ誰でもこうなれる」というずれた思想に陥る。

   感覚のずれや認識違いは恐ろしいものだ。ここから整形したい→お金がほしい→危ないバイトに手を染める未成年のケースも実際に聞く。

   夜職以外にも、「ネット上で人気の人物」に憧れる若者も多い。

   芸能人よりもインフルエンサーに興味関心を持つ世代が気になるのは、何よりもフォロワー数。一般人でも数万人のフォロワーがつくアカウントもごまんと存在する。そのため、人前に出たい人や、「注目されたい願望」が強いタイプだと、似た道をたどろうとする。戦略的に有名人へ近づき、彼らの人気に乗っかって「キラキラ」を手に入れるパターンも少なくはないようだ。

   これくらいなら、可愛い方だろう。SNS運用を頑張り、結果的に有名になれたら好きなことが仕事になるかもしれない。しかし、ネットというのは簡単に手を出せる分、道を踏み外すとあっという間に地獄に落ちる。

   一瞬の輝きを掴みたいがために顔も知らないような相手と現実世界で出会い、事件に巻き込まれる例も多数起きている。

   悲しいかな、目立つ存在のそばには怪しげなオトナがつきがちなのだ。

載せているハイブランドは本人の私物ではなかった

   「キラキラ」を発信する当事者も、悪い人に踊らされていることも多い。投稿も何もかもが全て仕組まれたもので、偽の輝きを放つ事例は私の近くでも起きていた。

   載せているハイブランドは本人の私物ではなく、そばにいる「怪しげなオトナ」のもの。表向きはお金持ちの美女インフルエンサーだったが、実は反社会的な人に囲われた「籠の中の鳥」だったのである。今となってはアカウント自体が消滅し、彼女の現状はわからない。

   これは少々極端な話だが、この手の人と物事の本質が見抜けない若者が出会ってしまえば、最悪の事態が待ち受けるだろう。

   ネットに慣れ切った世代は顔の見えない同士でLINEを交換し、リアルで会うことに抵抗感を持たない。知人・友人を増やす方法が学校や近所以外に増えたのはいいことだが、見方を変えれば危険に巻き込まれる可能性が急増したということだ。親の指導も含め、1人ひとりの意識の見直しが必要な問題なのである。

   大人でさえ表面上だけの「キラキラ」に惑わされるのだから、若ければ若いほど偽物に引っかかりやすい。

   ネットが普及した今、「若者にSNSを触らせない」では根本解決にならない。側面だけに気をとられず、現実的な部分にまで目を向け、判断することが現代社会では必要だ。



【プロフィール】
たかなし亜妖/2016年にセクシー女優デビュー、2018年半ばに引退しゲーム会社に転職。シナリオライターとして文章のイロハを学び、のちにフリーライターとして独立する。現在は業界の裏側や夜職の実態、漫画レビューなど幅広いジャンルのコラムを執筆中。

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