「ネット上で人気の人物」に憧れる
昨今の夜職ブームなんてのは、SNSの影響をモロに受けた典型例だ。現代っ子はキャストたちの輝かしい投稿を見て繁華街へ飛び込む。
もっとも、私の周囲で実際に働く人々は、自己ブランディングのためにポジティブさをアピールするのだから、泥臭い部分を表に出すことを絶対にしない。想像を絶する会計の額と高い支持の裏には必ず闇が潜むものだ。しかし、SNSによって「上辺」だけの部分しか読み取れない閲覧者は、深い事情が絡み合う点に気づかない。
ルックスやフォロワー数の多さだけで売り上げが作れると勘違いし、投稿の内容だけをそのまま受け取ると、次第に「見た目が良ければ誰でもこうなれる」というずれた思想に陥る。
感覚のずれや認識違いは恐ろしいものだ。ここから整形したい→お金がほしい→危ないバイトに手を染める未成年のケースも実際に聞く。
夜職以外にも、「ネット上で人気の人物」に憧れる若者も多い。
芸能人よりもインフルエンサーに興味関心を持つ世代が気になるのは、何よりもフォロワー数。一般人でも数万人のフォロワーがつくアカウントもごまんと存在する。そのため、人前に出たい人や、「注目されたい願望」が強いタイプだと、似た道をたどろうとする。戦略的に有名人へ近づき、彼らの人気に乗っかって「キラキラ」を手に入れるパターンも少なくはないようだ。
これくらいなら、可愛い方だろう。SNS運用を頑張り、結果的に有名になれたら好きなことが仕事になるかもしれない。しかし、ネットというのは簡単に手を出せる分、道を踏み外すとあっという間に地獄に落ちる。
一瞬の輝きを掴みたいがために顔も知らないような相手と現実世界で出会い、事件に巻き込まれる例も多数起きている。
悲しいかな、目立つ存在のそばには怪しげなオトナがつきがちなのだ。