自民・高鳥修一氏が立民・野田佳彦代表を告訴 選挙中の「脱税の疑い」発言に「根拠ない、一人でも戦う」

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   自民党の高鳥修一元衆院議員が、立憲民主党の野田佳彦代表を新潟県警に刑事告訴したことを明らかにした。2024年10月に行われた衆議院選挙で、野田氏が高鳥氏に対して「脱税の疑いがある」などと発言したことは「根拠のない誹謗中傷」として、名誉毀損などの疑いがあるとしている。

   選挙戦中の発言をめぐるトラブルは、過去にも起きている。

  • 高鳥修一氏(写真:ロイター/アフロ)
    高鳥修一氏(写真:ロイター/アフロ)
  • 高鳥修一氏(写真:ロイター/アフロ)

「根拠のない発言をメディアが取り上げ」

   高鳥氏は25年2月14日、国会内で記者会見を行い、その後、自身の公式Xでも次のように発信。16日夕までに2万いいね、4550リポストされており、注目されている。

本日、東京で記者会見を開き、立憲民主党の野田代表を公職選挙法第235条第2項(虚偽事項公表罪)と 刑法230条第1項(名誉毀損罪)で刑事告訴したことを説明しました。告訴状は1月17日に受理されています。 「根拠のない発言をメディアが取り上げ人を犯罪者にする怖さ」を身をもって知りました。
(続き) 誰も戦わない自民党の中で、一人でも戦う決意をしました。詳細は追ってお知らせします。

   高鳥氏は、旧安倍派で、政治資金パーティーを巡る問題で収支報告書に544万円の不記載があり、党から「戒告」の処分を受けた。去年10月の衆議院選挙では、新潟5区から出馬していた。

   産経新聞によると、高鳥氏によれば野田代表が昨年10月、新潟県上越市の立民候補の演説会で「ご当地のライバルは裏金をつくった人。500万以上の脱税の疑いがあることをやった政治家。税金の使い道を決める人が脱税の疑いがある」と発言したという。

   高鳥氏の公式Xには、「あの発言は『選挙妨害』以外の何物でもないですからね」「高鳥先生、応援してます」などといったコメントが、2月16日までに300近く寄せられている。

   産経新聞の阿比留瑠比・論説委員兼政治部編集委員は、自身のXで高鳥氏の記者会見を報じた自社の記事を引用し「国会内での発言ではないので、免責されない......」と指摘。憲法で認められている、国会議員が議院で行った演説・討論・表決について院外で責任を問われないという特権は、国会外の発言では認められないと示唆したとみられる。

   弁護士の紀藤正樹氏は、自身のXで高鳥氏の告訴に「本気で戦うなら名誉毀損で民事提訴すべきと思います。表現の自由事案で権力頼みは難しい」と言及している。

「街頭演説で名誉棄損」トラブルは過去にも

   街頭演説の内容が名誉棄損ではないかと訴えられたトラブルは、過去にも起きている。

   2022年の参議院選挙では、「夜回り先生」として知られる教育評論家の水谷修氏が、東京選挙区に参政党から立候補した河西泉緒氏を相手取り、330万円の損害賠償などを求め、東京地裁に提訴した。河西氏が街頭演説で、水谷氏に性交を迫られたかのように発言した点を、名誉毀損に当たるとしたもの。

   当時のデイリースポーツの記事によると、河西氏は「自称有名夜回り先生という方に、わいせつ行為を受けたという過去があります。その話をして、その後なんで寺に入ったのかという話までつなぐ時にそのお話をさせていただいたんですけど、(発言の)一部だけが切り取られてしまいました」と語っている。

   河西氏は当時、Xで「名誉に欠けて水谷さんを特定した訳ではありません」(22年7月15日)と主張。その後、同氏のXで「勝訴」したと投稿があり、「原告の請求をいずれも棄却する」「訴訟費用は原告の負担とする」こととなったと発信されている。

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