奈良県が2025年10月に予定しているK-POPアーティストの無料ライブについて、当初、約2億7000万円としていた事業費を約2900万円と10分の1程度に圧縮する。約1万人規模の観客も、約1500人とするという。
山下真・奈良県知事が2月13日の定例記者会見で発表した。一方で「なぜ、奈良県でK-POPイベントを?」との声もある。
当初は「TWICE」や「ILLIT」の案も
イベントは、当初「日韓国交正常化60周年及び奈良県と忠清南道の友好提携15周年を記念する音楽交流イベント」として企画された。案では、奈良公園(奈良市)に屋外ステージ設置して、1万人規模の観客を見込み、出演アーティストにはS、A級と呼ばれるカテゴリーの「TWICE」や「ILLIT」の名前も出ていたという。
2024年12月、県議会でこの無料ライブに約2億7000万円を支出する補正予算案が一旦可決されていたものの、一部の議員が支出額縮減などを求める申し入れ書を提出。25年1月には、住民団体が県に、無料ライブ開催に反対する約550人分の署名を渡す動きもあった。
安藤美姫「なんでK-POP?」
K-POPライブの規模縮小のニュースが報じられると、著名人からコメントが相次いだ。
元NHK職員で、お笑いジャーナリストとして活動するたかまつななさんはインターネット番組「Abema Prime(アベプラ)」(Abema)で、「戦略が見えないことが問題」と指摘。「本当にビジョンが明確だったら、これは一流のアーティストを呼ぶために絶対に必要な予算なんです。みなさん理解してくださいってなると思う。そうじゃないってどういうことなんだろうなって思います」と苦言を呈した。
同番組に出演したプロフィギュアスケーターの安藤美姫さんは「なんでK-POP? はやってるからとかなのか?」と疑問の声をあげた。
元大阪府知事の橋下徹弁護士は「ドっとコネクト」(関西テレビ)に出演。奈良県の山下真知事がXで、奈良公園であればS級やA級のアーティスト出演も可能だった、県議会による予算の議決が得られなければ全く開催できない、議決の得られそうな案に変更した、という旨をポストしたことに「最悪の知事発言ですよ」と批判した。
お笑い芸人のほんこんさんは、自身のYouTubeで「ひよったんでしょうね、選挙のことがあったりするので」と語った。
インターネットでは、「そもそもなぜ奈良県が韓国のためにここまで力を入れる必要があるのか疑問。県の財政が潤っていて、県民の暮らしに余裕があるならまだしも、他に優先すべきことはいくらでもあるはず」「そもそも本当に韓国のトップアーティストを呼ぶ気だったんなら尚更金を取ってやるべき事」と、奈良県が税金を使って行う事業として、不適切との声があふれた。