投手としての登板を目指す楽天の辰己涼介が沖縄・金武町での春季キャンプで2025年2月7日にブルペン入りし、最速152キロを計測した。
三木谷浩史オーナーが投球を見守り、メディアの注目度も高かった。翌日のスポーツ紙では各紙が大きな扱いで掲載したが、野球ファンの間で話題になっているとは言えない。
「もっと盛り上がってもいいと思うのですが」
楽天を取材する記者は、「辰己のキャラクターが世間に受け入れられていないんですかね...。ああいうパフォーマンスをする選手は球界で貴重ですし、もっと盛り上がってもいいと思うのですが」と複雑な表情を浮かべる。
球界を代表する外野手として、実力は誰もが認めるところだ。昨年はプロ6年目で自身初の全143試合出場し、打率.294、7本塁打、58打点をマーク。最多安打(158)のタイトルを獲得した。
外野の守備でもシーズン最多刺殺397を記録し、4年連続4度目のゴールデン・グラブ賞を受賞。11月に開催された「プレミア12」では侍ジャパンに選出され、攻守の中心選手として引っ張った。
GG賞授賞式で金衣装&顔を金塗り NPBアワードでちょんまげ&はかま姿
辰己の魅力はグラウンド上で見せるプレーだけではない。常人離れした言動と行動で周囲を驚かせることも。
昨オフのゴールデン・グラブ賞受賞式では、金色のスーツを着用し、顔を金色に染めた姿で登場。「2年前に上下ゴールドで来ますと約束したので。照明の関係で金に見えてるだけ。いつも通りです」と発言した。
NPBアワードの最多安打の表彰式では、ちょんまげをつけたはかま姿で登場。ベストナインの表彰式では甲冑姿で現れて会場がどよめいた。
ただ、奇抜な格好に、爆笑で盛り上がるというわけではなく、空回りしている感も。「辰己ワールド」が世間に浸透するのはもう少し時間がかかるかもしれない。(中町顕吾)