「ど根性」発芽!階段下に希少草×解説板の珍光景 小笠原で話題の一角、施設広報が理由を考察

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   階段下に置かれた小さな看板、実は、舗装路の溝から生えた隣の草が希少種であると知らせるものだった──。

   小笠原・父島にある環境省の施設「小笠原世界遺産センター」前で目撃された珍光景がXで驚きを集めている。同センターは取材に「発見時の心境としては職員一同『こんなところに生えてくる?!』という感じでした」と答え、詳しい経緯を明かした。

  • 小笠原世界遺産センターの階段下に生えたシマカコソウ(C)環境省
    小笠原世界遺産センターの階段下に生えたシマカコソウ(C)環境省
  • 本来の生息地で自生するシマカコソウ(C)環境省
    本来の生息地で自生するシマカコソウ(C)環境省
  • 小笠原世界遺産センター(C)環境省
    小笠原世界遺産センター(C)環境省
  • 小笠原世界遺産センターの階段下に生えたシマカコソウ(C)環境省
  • 本来の生息地で自生するシマカコソウ(C)環境省
  • 小笠原世界遺産センター(C)環境省

「風で飛ばされた看板?と思ったら...」

   小笠原世界遺産センターは、世界遺産に登録されている小笠原諸島の取り組みや生き物などについて展示をしているほか、保全管理を行う拠点としても運用されている。

   話題になっているのは施設を出てすぐ、3段の階段下の光景だ。地面は舗装されているが、ブロック同士のわずかな溝から、白い花を咲かせた一握りの草が生えている。横に添えられた小さなパネルが、小笠原固有種の「シマカコソウ(島夏枯草)」だとして概要を説明している。

「潮風があたりやすい風衝地や崖地に生育。潮にやられてしまったら、地上部だけ枯らして、また新しい茎を出します」

   実は、種の保存法に基づいて採取や損傷、譲り渡しなどが原則禁止された「国内希少野生動植物種」に指定され、環境省の第4次レッドリスト「絶滅危惧ⅠB類」(近い将来における野生での絶滅の危険性が高い)にも分類された植物とのこと。環境省公式サイトによると全体で300個体程度が確認されている。ノヤギによる食害や台風による土砂崩壊といった要因に脅かされた。

   先の意外な状況は2025年2月中旬にXで拡散され、「風で飛ばされた看板?と思ったら横に咲いた貴重な花を説明するモノだった。こんな場所に咲くとはビックリ」「そんなことあるんだw」「隙間から生えてるのに看板立ってるの違和感ありますね」「気づいて解説読んだらうっかり踏まなくてホントよかったアリガトウってなるやつ」などと驚きが広がっている。

なぜここに生えた?施設の見解は...

   小笠原世界遺産センターの広報担当者は12日、J-CASTニュースの取材に「発見時の心境としては職員一同『こんなところに生えてくる?!』という感じでした」と振り返った。

   発芽のきっかけは20年1月にさかのぼる。同センターで植物展を開催した際に、開花中のシマカコソウの鉢植えを玄関先に展示していた。すると4月に除草業者が施設外構のコンクリートでシマカコソウと思われる芽を発見し、植物の専門家にも本物だと認められたという。

   それは枯れたものの、7月に職員が階段下で新しい芽を見つけた。踏まれないように、養生テープで囲った後、来館者の目に止まるようにとも考えて種名板を設置した。一方で22年後半~23年前半の間に親株は枯れ、同年6月、階段下の親株が生えていた近くで新芽を発見、現在に至るという。

   なぜ階段下に生えたのか。理由を聞くと、

「鉢植えを置いていた場所から一番近い場所というのが一つ、そして、その場所がたまたま本来の生息地である環境に近かったからというのが考えられます」

   と推察した。大きさの変化については、「植物なのでサイズは成長するごとに大きくなっていますが、一番初めに発見した階段下の親株のサイズが一番大きかったです」とも説明。公式インスタではたびたび「ど根性希少種」としてシマカコソウの様子を発信している。

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