スマホユーザーにとって大きな関心事は、携帯料金の安さと同時に外出時のつながりやすさだろう。
モバイル専門の市場調査を行うMMD研究所(運営元はMMDLabo、東京都港区)が2025年1月30日に発表した「2025年スマートフォンの通信のつながりに関する調査」によると、大手4キャリアでは、通信のつながりやすさではソフトバンクが一人勝ちの結果になった。
しかし、通信の安定性ではKDDIに軍配が。シーン別でも各社一長一短があるようだ。調査担当者に聞いた。
繁華街、電車内...8つのシーン全てでソフトバンクが1位
MMD研究所の調査(2024年12月20日~23日)は、予備調査と本調査を分けた。予備調査では18歳~69歳の男女1万人が対象。本調査では大手4キャリアを契約している2000人に、詳しく通信のつながりやすさなどを聞いた。
なお、通信経験に焦点を当てているため、docomo、au、SoftBank、楽天モバイルという主力ブランドだけでなく、ahamo、povo、LINEMOなどオンライン専用プランとキャリアサブブランドも含んでいる。
まず、予備調査の1万人に直近半年で外出している際に通信が途切れた経験を聞くと、26.6%が繋がりにくさを経験していた。
予備調査から大手4キャリアを契約している2000人を抽出し、直近半年の通信速度および安定性の満足度を「満足、やや満足、やや不満、不満」の4段階で聞いた。通信速度の満足度(満足とやや満足の合計)が最も高かったのは、ソフトバンク(82.4%)で、次いでNTTドコモ(81.8%)、KDDI(81.0%)、楽天モバイル(64.2%)となった【図表1】。
次に、安定性での満足度を聞くと、1位KDDI(81.0%)、2位ソフトバンク(80.4%)、3位NTTドコモ(80.0%)、4位楽天モバイル(56.0%)となった【図表2】。
【図表3】は、「電車やバスなど公共交通機関での移動」「繁華街」「主要都市のターミナル駅」「コンサートやライブ会場」など、外出時のつながりやすさを8つの場所で大手4キャリア別に聞いた比較だ。全項目でソフトバンクが1位となり、2位を獲得したのはNTTドコモが6項目、KDDIが4項目、楽天モバイルがゼロとなった(同率を含む)。
一方、「インターネットブラウザ」「通話(LINE通話など)」「QR・バーコード決済」「SNS」「オンライン動画サービス」の5つの利用サービス別では、大手4キャリアのつながりやすさはどうだろうか。【図表4】がそれを比較したグラフで、ここでもソフトバンクが全項目でトップになった。
この結果、外出時の利用サービスの総合満足度では、1位ソフトバンク、2位KDDI、3位NTTドコモ、4位楽天モバイルという順番になった。