「働きがいのある企業ランキング50社」人材サービスが躍進...決め手は「社員一丸」と「お客の笑顔」

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   「ああ、仕事にやりがいがある! この会社に入って本当によかった!」心の底からそう思えて、後輩や友人にオススメしたい企業はどこか――。

   就職・転職のためのジョブマーケット・プラットフォーム「OpenWork」を運営するオープンワーク(東京都渋谷区)が2025年1月28日、「社員が選ぶ『働きがいがある企業ランキング2025』」を発表した。

   仕事に働きがいを見いだせる上位50社の企業には、どんな魅力があるのか。社員のクチコミから分析した担当者に聞いた。

  • やりがいのある仕事で生き生きと働きたい(写真はイメージ)
    やりがいのある仕事で生き生きと働きたい(写真はイメージ)
  • (図表1)働きがいがある企業ランキング2025 1位~20位(オープンワーク作成)
    (図表1)働きがいがある企業ランキング2025 1位~20位(オープンワーク作成)
  • (図表2)働きがいがある企業ランキング2025 21位~50位(オープンワーク作成)
    (図表2)働きがいがある企業ランキング2025 21位~50位(オープンワーク作成)
  • やりがいのある仕事で生き生きと働きたい(写真はイメージ)
  • (図表1)働きがいがある企業ランキング2025 1位~20位(オープンワーク作成)
  • (図表2)働きがいがある企業ランキング2025 21位~50位(オープンワーク作成)

1位電通、2位セールスフォース・ジャパン、3位三井物産

   OpenWorkは、社会人の会員ユーザーが勤め先の企業の情報を投稿する国内最大規模のクチコミサイト。会員数は約695万人(2024年12月時点)という。企業の評価を「待遇面の満足度」「社員の士気」「風通しの良さ」「社員の相互尊重」「20代成長環境」「人材の長期育成」「法令順守意識」「人事評価の適正感」の8つの指標をもとに5段階で評価している。

   調査では、2024年1月~12月までに投稿された、現職または1年以内に退職した社員による8万5361件のデータを分析し企業をランキング化した。

   日系・外資系合わせて50社がランクインした結果、1位に大手広告代理店の電通、2位に米国に本社を置くクラウド・コンピューティングサービスのセールスフォース・ジャパン、3位に総合商社の三井物産、4位に電通のシンクタンク電通総研、5位にデジタルテクノロジーのマクニカ。

   6位にアジアを基点とするアビームコンサルティング、7位に英国に本拠があるコンサル会社PwCコンサルティング、8位にリクルート、9位に自動制御機器のキーエンス、10位に米国に本拠がある巨大IT企業の日本IBMとなった【図表】。

電通は休みへの理解が進み、男性育休取得率が103%!

   J‐CASTニュースBiz編集部は、調査を行なったオープンワーク広報担当者に話を聞いた。

――今回、電通が1位ですが、過去に女性新入社員の過労自殺事件(2015年)があったり、最近でも東京五輪の談合事件(2025年1月、一審有罪)があったりと、過去にはあまり企業イメージがよくありませんでした。しかし今は、「働き方改革」がかなり進んでいるということでしょうか。また、2025年2月13日に電通自身が発表した子育て世代支援のプレスリリースによると、男性従業員の育休取得率が103.1%に、平均取得日数が67.1日に向上したとのことです。

広報担当者 1位の電通に寄せられたクチコミからは、「担当のクライアント次第によって左右される」などの声が見られるものの、働き方改革の進展やコロナ禍をきっかけとしたリモートワークの定着によって働き方が大きく改善していることがうかがえます。

実際、OpenWorkに投稿された平均残業時間は、2015年度の月46時間から24年度の月34時間に減少しています。休暇に関する制度や仕組みだけでなく、「休むことに対する上司や同僚の理解がある」といった職場のソフト面に対するクチコミが見られます。

電通「以前の会社イメージと全く異なり、労働時間や休暇取得に関してシビアに管理されており、極端な長時間残業等はほぼない状況。会社出社も義務ではないため、自宅でのリモートを中心とした仕事形態を選択している社員も大勢いる。休暇も取りやすい雰囲気になっており、まとまった休みも気兼ねなく取れる状況になっている」(マネジャー)

電通「有給奨励日が設定されていたり、全社で休む日が設定されていたり、繁忙期でなければ休みやすい。先輩社員を見ていても、5日間ほどで海外旅行に行かれている方も多く、休みを取っても嫌な顔をされたり、嫌な雰囲気になったりすることはない。ただ、さまざまな案件が重なっている時期は忙しそうにしている方が多いので、時期によって忙しさに変動はある」(マーケティング)

電通「お互い助け合いながら休暇や時間を調整したりできるため、ワークライフバランスは取りやすい」(マネジャー)

外資系は、社員のキャリアをサポートする仕組みが充実

――上位20社を見ると、外資系企業が6社もランクインしています。働きがいがあるとして高く評価される理由は何なのでしょうか。

広報担当者 私たちは8つの指標を5段階で評価していますが、「風通しの良さ」「法令順守意識」「社員の相互尊重」はどちらかといえば「業務を円滑に進めることができる職場環境の良さ(=ほぼ働きやすさ)」に対する指標。一方で「20代成長環境」「人材の長期育成」「人事評価の適正感」「待遇面の満足度」は「社員の成長のモチベーションとなる適正な評価や報酬」といった、いわば「キャリア成長」に対する評価になります。

「働きやすさ」と「キャリア成長」は、どちらも働きがいを持って働くうえで重要で、これらが総合的に高く評価された企業が今回のランキングとなります。外資系企業には、特に社員一人ひとりのキャリアに向き合い、実現するための仕組みやサポートが充実している点が共通して見られました。たとえば、こんなクチコミが代表的です。

PwCコンサルティング「本人が継続的な成長・チャレンジ機会を求めている限りは、上位者やチームはそれにできる限り応えようという風土があると思う。リスキリング等の仕組みとしては他社と遜色ないと思われる」(コンサルタント)

日本マイクロソフト「自分で考えるキャリアプランは非常に大事にされます。将来的にどうしたいか悩みがある場合もマネジャーが寄り添ってくれるので、成長やキャリア開発のきっかけや相談の場は作りやすいです」(テクニカルサポート)

アマゾン ウェブ サービス ジャパン「社内異動はまるで転職活動のようにレジュメや面接を通すために、きちんと前部署からのキャリアアップを実感しながら新部署にチャレンジすることができた」(セールス)

人材サービスは、一体感のある組織で面白がって仕事をする

――上位50社に目を広げると、まだ少数ですが、リクルートをはじめクイック、パーソルキャリア、ビズリーチなどの人材サービス会社が並みいる総合商社、コンサル会社に引けをとらずランクインしていることが新しい傾向と感じました。こうした企業はどういう特長、風土を持っているのでしょうか。

広報担当者 人材サービスのランクイン企業からは、組織体制・企業文化の特徴として、経営理念やビジョンが社内に浸透し、社員が一丸となって仕事に取り組んでいる点を挙げるクチコミが見られました。

一体感のある組織のもとでは、自分の仕事の意義を理解しやすくなるだけでなく、社会や顧客への貢献につながっていることが実感でき、働きがいにつながることが考えられます。こんなクチコミが特徴的です。

リクルート「企業規模が大きいにもかかわらず、働く側のマインドや目指す方向性をしっかりと事業起点で浸透させていることに関しては、ものすごいことだなと感じる」(営業)

クイック「みんなが一つの経営理念やミッションに向けて頑張ろうとするような企業文化はあります」(Web)

パーソルキャリア「グループビジョンである『はたらいて、笑おう』を顧客に価値提供できたエピソードをプレゼンする全社イベントが年一回あり、普段は異なる事業部で働く社員のエピソードも聞くことができる。全社一丸となってビジョンに向かって顧客に価値提供しようとしている姿勢が感じられ、この組織の一員でよかったと働きがいを感じる」(営業)

ビズリーチ「会社が掲げるミッション・ビジョン・バリューが事業や制度、組織においても体現されていると感じる。それに共感ができる人であれば、納得感ややりがいを持って働ける、かつ、組織にも馴染みやすいのではないかと思っています」(ビジネス開発)

結局、「面倒見のいい」企業の評価が高い

――今回の調査で特に強調したいことがありますか。

広報担当者 ランクイン企業に寄せられたクチコミには、社員一人ひとりのキャリアに寄り添うサポート体制や研修機会が充実していることなど、「面倒見のよさ」に関する評価が目立ちました。人材の獲得競争が激化するなか、企業側も「この会社でどんなスキルが身につくのか」「どんな成長機会があるのか」を明確に打ち出すことが今後一層求められると言えそうです。

企業にとっては、スキルアップした社員が別の企業に転職する可能性はありますが、退職した元社員(アルムナイ)が再び入社するケースが増えていることから、転職後も良い関係を築けることや、たとえ一部の社員が転職しても、また新たな優秀な人材が入ってくる好循環が生まれるメリットがあるのではないでしょうか。

(J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)

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