新入社員は「失敗が嫌だから、大きな仕事を任されたくない」 上司・先輩はどう接したらいい?3つのポイントは

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「失敗したくないので、大きな仕事は任されたくない」「恥をかきたくない」

   イマドキ新入社員は、自分に自信が持てない若者が多いことが、人材育成サービスの日本能率協会マネジメントセンター(JMAM=ジェイマム、東京都中央区)の「新入社員調査」でわかった。

   しかも、成果や生産性より「勤務時間」で評価されたいという。

   では、上司や先輩はどう指導したらよいのか。調査をまとめたジェイマムの斎木輝之さんに話を聞いた。

  • 新入社員の考え方とは(写真はイメージ)
    新入社員の考え方とは(写真はイメージ)
  • (図表1)就社志向が高まる一方、自律的キャリア志向は弱まっている(日本能率協会マネジメントセンター作成)
    (図表1)就社志向が高まる一方、自律的キャリア志向は弱まっている(日本能率協会マネジメントセンター作成)
  • (図表2)経験を通じた成長が大事だと思いつつ、失敗を恐れる傾向が強く、挑戦しない(日本能率協会マネジメントセンター作成)
    (図表2)経験を通じた成長が大事だと思いつつ、失敗を恐れる傾向が強く、挑戦しない(日本能率協会マネジメントセンター作成)
  • (図表3)自分に行動や言動に自信が持てず、前向きな一歩を踏み出せない(世代別で最も低い結果)(日本能率協会マネジメントセンター作成)
    (図表3)自分に行動や言動に自信が持てず、前向きな一歩を踏み出せない(世代別で最も低い結果)(日本能率協会マネジメントセンター作成)
  • (図表4)評価は、成果や生産性より、「何時間働いたか、何年間勤続したか」が上昇(日本能率協会マネジメントセンター作成)
    (図表4)評価は、成果や生産性より、「何時間働いたか、何年間勤続したか」が上昇(日本能率協会マネジメントセンター作成)
  • 新入社員の考え方とは(写真はイメージ)
  • (図表1)就社志向が高まる一方、自律的キャリア志向は弱まっている(日本能率協会マネジメントセンター作成)
  • (図表2)経験を通じた成長が大事だと思いつつ、失敗を恐れる傾向が強く、挑戦しない(日本能率協会マネジメントセンター作成)
  • (図表3)自分に行動や言動に自信が持てず、前向きな一歩を踏み出せない(世代別で最も低い結果)(日本能率協会マネジメントセンター作成)
  • (図表4)評価は、成果や生産性より、「何時間働いたか、何年間勤続したか」が上昇(日本能率協会マネジメントセンター作成)

達成した成果や生産性より「何時間働いたか」で評価してほしい

   日本能率協会マネジメントセンターは毎年、新入社員調査を行なっており、今回調査(2024年6月)は、2023年~24年に入社した新入社員934人と、新入社員の育成に関わる上司・先輩社員1564人の合計2498人が対象だ。

   ここ5年を比較すると、「現在の会社でずっと働きたい」という、いわゆる「就社志向」が年々高まり、6割を超えた。一方で、「キャリアは自ら切りひらく必要がある」という回答が大きく低下し、ここ3年で約9割から約7割にダウンした。自律的キャリア志向が弱まっているのだ【図表1】。

   新入社員の育成の難しさも浮き彫りになった。6割弱が「失敗したくないので、大きな仕事は任されたくない」と回答。「自分自身の成長のために、一時的に負担や労働時間が増えても挑戦したい」と答えた割合は半数以下に留まった。どうやって挑戦を促すか、上司や先輩は工夫が必要になる【図表2】。

   また、Z世代は自分の行動や言動に自信が持てず、前向きな一歩を踏み出せない傾向がわかった。【図表3】は自分に対する自信度を世代別に比較したグラフだが、すべての項目でZ世代が最も低い。逆に、「恥をかきたくない」「他人の評価を気にする」といったネガティブな意識もZ世代が最も高く、チェレンジ精神を期待しにくい状況だ。

   そんな意識の影響もあってか、達成した「成果」や「生産性」よりも、「何時間働いたか」や「何年勤続したか」で評価されることを好む割合が4割強と、過去最も高くなっている【図表4】。

   こうしたことから、新人育成のポイントとして、次のことをアドバイスしている。

(1)初めから大きなゴールを求めずに、達成可能な小さな目標を設定する。それをクリアした際には「ここがよかった」と、一つひとつ具体的にほめる。この小さな成功体験が次の挑戦への自信となる。
(2)取り組みの途中にある努力や工夫を見つけて評価する。「その工夫があったからここまで進めた」という形で、行動や姿勢を肯定的にとらえるフィードバックが効果的。
(3)「まずは試してみよう」「サポートするから挑戦してみよう」と、安心感を与えながら次の一歩を引き出す。時には伴走しながら「やってみること」に価値を感じられる環境づくりを意識する。
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