「薬を砕いて粉にしたい!」便利グッズはあるが... 厚労省は注意喚起「医師や薬剤師に相談を」

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体内吸収のスピードが上がるため、砕くとダメな薬も

「重要な薬を飲んでいる方は、飲み方を気にしておられますので、医師や薬剤師に相談してほしいと思います。薬が溶けて、ノドや胃、腸で効く薬があり、効果を高めるためにも注意していただければ」

   現在までのところ、トラブルや苦情は聞いていないという。ドラッグストアや100円ショップなどで販売しており、売り上げは好調だとしている。

   錠剤を砕いて粉にする便利グッズについて、厚労省医薬局の総務課は2月10日、取材に対し、次のように注意点を挙げた。

「体内に吸収されるスピードが上がるため、自己判断で砕くとダメな薬もあります。胃で溶けずに腸で効く薬は、その1つですね。また、体内でゆっくり溶かして効果を持続させる徐放性製剤もそうです。このほかに、苦みを消すためにコーティングしている錠剤もあると思います」

   便利グッズの販売は、薬機法違反などにはならないとしたが、処方薬ならば、医師や薬剤師に相談すれば、代替の粉薬にしてくれたり、砕いていい場合は砕いてくれたりするはずだと指摘した。市販薬でも、腸で効く便秘薬などもあるため、ドラッグストアなどで確かめ、問題ないようなら便利グッズを使えばいいのではないかという。

   なお、徐放性製剤については、医薬品医療機器総合機構(PMDA)が23年3月、砕いたりして飲むと、急に血中濃度が上がって重い副作用の恐れがあると医療安全情報を出している。日本医療機能評価機構が同年4月にまとめた報告書によると、徐放性製剤を砕いて患者に投与した結果、血圧低下や意識レベルの低下などの影響が出たケースが20年からの4年間で計7件あった。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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