「iPhone SE4」の発売が間近に迫っているらしい、というネットニュースが増えてきた。
「らしい」というのは、Appleは公開イベントまで新製品の情報を明かさない企業だからだ。待ち望まれている「SE4」の現時点での情報も、真偽不明のリークも含めた「予想」に過ぎない。
しかし、それだけ大きな期待がかけられているのも事実である。筆者自身は、2020年4月発売の先々代機「SE2」を5年使い続けている。「SE4」に期待する点について整理しよう。
SEシリーズの「小ささ」はやはり魅力
筆者の考えるSEシリーズの一番の魅力は「小ささ」だ。
10年ほど前に「ファブレット」という言葉が流行った。それはタブレットに近い画面サイズの大型スマホで、当時は月を追うごとにスマホが大きくなっていったほど。iPhoneもその流れに乗り、画面は大きく広くなっていった。
しかし、全てのiPhoneユーザーが製品の大型化を望んでいたわけではない。
ディスプレイのフルスクリーン化を考慮したとしても、やはりスマホは昔より図体が大きくなっている。それでは、ズボンのポケットに入れた時の違和感に直結してしまう。また、手の小さい人は大きなスマホを扱いづらいと感じることだろう。
SEシリーズは「昔のサイズのままでいい!」と考えているユーザーを上手く取り込んでいる印象がある。
望遠レンズは必要か?
カメラも同様だ。
いまや背面のカメラは、二眼、三眼が当たり前になった。たとえば、iPhone 16 Proの三眼レンズは「5倍の光学ズーム」の撮影に対応。光学ズームは、レンズの力で景色を拡大してくれる。そのため、粗のない望遠写真を撮影できる。
さらに、iPhone 16 Proは超広角レンズも搭載され、より幅広い範囲を撮影することも可能。デジタルカメラの売上が年々減っている理由もうなずける高機能だ。
しかし、そのようなカメラ性能は本当に万人が求めているものなのか?
日常生活の場面、たとえばQRコード決済を行ったり、「ホ方式」の身分証明(免許証等の券面を撮影する方式)を実施したりということであれば、広角レンズ1つで十分。望遠レンズや超広角レンズは、あくまでも「粗の少ない綺麗な写真を撮影する」ための嗜好品と表現してもいいだろう。
こうした機能を使えることは魅力だが、そのために本体価格が高くなってしまうのなら......と考えてしまう。
チップはハイエンドモデルと同等?
今現在囁かれている噂でも、SE4のカメラは広角レンズのみとされている。その一方で、ボディーサイズはiPhone 14をベースにしているため、筆者の使うSE2に比べると、画面サイズとともに一気に大型化する......と言われている。その上で、以下の特徴も噂される。
・iPhone 16と同等のA18チップ
・USB-Cケーブル対応
・Face ID対応
・ホームボタン廃止
SE2ユーザーから見れば、やはりチップの最新化は極めて大きい。これにより「5年分の遅れを取り戻せる」と言ってもいいだろう。
また、ホームボタンのTouch IDからFace IDにバトンタッチするとしたら、より堅牢かつ確実な本人確認がSEでもできるようになるかもしれない。
SE2は中古・アウトレット市場では人気の機種だったが、5Gには対応していなかった。SE4で5G対応が実現すれば、通信速度の向上が期待できるだろう。
ちなみに、筆者の「体感」になるが、3Gスマホから4Gスマホに切り替えた時には驚いた。
3G回線とは比べ物にならないほど高速だったからだ。SE2ユーザーがSE4に切り替えた場合、驚きの体験をまた味わえるだろうか。
円安の影響がここにも...
ただし、気になるのは販売価格。これは現在、批評家やメディアによって、かなりバラついている。たとえば、最安モデルが599ドル(約9万2000円)としているメディアもあれば、499ドル(約7万6500円)と予想しているメディアも......。
だが、いずれにせよ、日本での販売価格はそれまでのSEシリーズよりかなり高額になってしまうようだ。もちろん、円安の影響があるからだ。SE4の発表が待ち遠しい(澤田真一)。