力の差は歴然としていた。カリブ海地域のウインターリーグの王者を決める「カリビアンシリーズ」に、日本チーム「ジャパンブリーズ」が特別招待枠で参戦したが、4戦全敗。予選敗退し、準決勝進出はならなかった。
75年の歴史がある国際大会
「ジャパンブリーズ」は、元DeNA監督のアレックス・ラミレス監督が指揮を振るった。参加選手には、ソフトバンクやメジャーで活躍した川崎宗則、元楽天の桜井周斗、元DeNAの渡辺明貴など、日本国内の独立リーグでプレーする選手を中心に編成された。シリーズでは、元メジャーリーガーや3Aの選手をそろえた中南米諸国に投打で圧倒された。
初戦のドミニカ共和国に1-12で大敗を喫すると、2戦目のプエルトリコ戦は2-3で惜敗。3戦目のメキシコ戦に2-7で敗れ、最終戦となったベネズエラに0-10で8回コールド負けを喫した。
ラミレス監督や懸命に戦った選手たちに非はない。ただ、カリビアンシリーズは75年の歴史がある国際大会で、メキシコ、ドミニカ、ベネズエラ、プエルトリコと参加4か国のウインターリーグで優勝したチームが参加する。日本にとっても貴重な国際大会だったにもかかわらず、チーム編成に疑問が残った。
「若手は出場させる価値がある大会」
米国で取材するジャーナリストは、
「カリブ海の歴史ある大会で、この戦いぶりは相手に失礼ですし、今後の大会で呼ばれない可能性がある。NPBはキャンプに入り、レギュラー級の選手は参加が難しかったのは理解できますが、若手は出場させる価値がある大会だと思います。1軍に定着できていない西純矢(阪神)、根尾昂(中日)、秋広優人(巨人)は出場することで大きな収穫を得られますし、球団と交渉すれば招集が実現できたかもしれない。次回も特別招待枠で参加が可能なら、NPBを含めてメンバー編成で話し合うべきです」
と指摘する。
日本で注目度が高い大会とは言えないが、苦い敗戦を糧にしなければいけない。(中町顕吾)