「社訓ではないが、いい言葉だと思ったのでは」
その説明によると、2000年に公開された庵野秀明監督の実写映画「式日」の制作のため、鈴木氏がロケ地になった山口県宇部市内のビルを訪れたとき、鈴木氏がゴミ箱の中から今回の貼り紙を拾った。鈴木氏は、これを気に入って、20年以上前からプロデューサー室入口に貼ってあるという。
このビルに入居していた会社がなくなり、ビル内は、廃墟のようになっていたという。貼り紙がこの会社の社訓だったかは分からないとした。
「7条件について何か言われたことはなく、社訓ではないですね。単純に書いてあることがよかったのだと思います。これを貼るような会社は潰れる、というようには思っていないでしょう。いい言葉だと思ったのでは」(広報担当者)
川上氏は、10年以上前にプロデューサー見習いとしてジブリに出入りしており、この貼り紙をドワンゴ社内でも貼ったとラジオ番組で話していたという。
ところで、そもそも、貼り紙の7条件は、大手電機メーカーの日本電産(現・ニデック)(京都市)の創業者として知られる永守重信氏(80)が自らの著書などで挙げていたものだった。
日経新聞の11年3月7日付記事によると、永守氏が1970年代に会社を立ち上げたころ、京都府亀岡市内の工場で壁一面に「去ってほしい社員の条件」を掲げた貼り紙を出していたと知人の経営者が語ったとあった。