小学生にスマホを持たせる理由1位は「緊急時の連絡」
J‐CASTニュースBiz編集部は、調査をまとめたモバイル社会研究所の水野一成さん(子ども・シニア・防災調査担当)に話を聞いた。
――小学高学年のスマホ所有率が急に10ポイントもあがりましたが、この理由は何でしょうか。特に小学生から中学生になる時より、小学5年から小学6年になる時に、グ~ンと上がるのが不思議です。
水野一成さん 小学生高学年が上がっている理由はいくつかあります。まず、全体的に年々スマホ所有率が上がっていることから、親の周囲や子の友人もスマホを所有しているケースが増えたと思われます。このことが、子にスマホを所有させる流れを加速している要因になっているのではないでしょうか。
また、小学生の高学年になると、塾や習い事が多くなってくる、また、小6になると塾の時間が遅くなる、ということもあるのかもしれません。当研究所の調査では、子どもにスマホを持たせる理由は「子どもが欲しがっている」よりも「緊急時の連絡」が最も高くなっています。
また、「子どものいる場所の把握」も上位に並んでいます。小学6年くらいが、子どもが親と離れた行動をし始めるタイミング、ということかもしれません。
――2019年から文部科学省が始めた、小学低学年からICT教育を進める「GIGAスクール構想」の影響もあるのでしょうか。
水野一成さん それはあると思います。早い時期からICTスキル(例えば情報検索など)を身に着けている子どもが増えました。その結果、機能が制限された「キッズケータイ」の所有率が徐々に減っています。
つまり、最初に「キッズケータイ」を所有させてからスマホを持たせるケースよりも、最初からスマホを持たせるケースが増えています。