プロボクシングのスーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋、31)の米国進出に対し、米ボクシング専門メディアが「注文」をつけた。
「ピカソは井上に近いレベルの選手と戦ったことがない」
米ボクシング専門メディア「ボクシングニュース24」(ウェブ版)は2025年2月4日に井上の特集記事を組み、次戦に関して独自の見解を示した。
同メディアによると、井上の次戦は6月14日に米ラスベガスで予定され、対戦相手は、WBC世界スーパーバンタム級1位のアラン・ピカソ(メキシコ、24)だという。
スポーツ紙の報道によると、井上陣営は25年度に4試合を計画しているという。
井上は25年の初戦、1月24日にスーパーバンタム級の王座防衛戦を行い、WBO同級11位キム・イェジョン(韓国、32)を4回KOで下し王座防衛に成功。第2戦が米ラスベガスでの防衛戦になる見通しだ。
「ボクシングニュース24」は、ピカソとの対戦を前提とし、「ピカソは31勝(17KO)1分けと無敗だが、井上に近いレベルの選手と戦ったことがない。この試合は、キム・イェジョンとの防衛戦と同じような結果になる可能性が高い」と試合内容を予想した。
そして、こう続けた。
「ファンは経験不足のピカソと戦うのを見て興奮することはないだろう」
「ボクシングファンは、ラファエル・エスピノサ(WBOフェザー級王者)、ムロジョン・アフマダリエフ(WBAスーパーバンタム級暫定王者)、ブルース・キャリントン(WBCフェザー級1位)といった、パワーがあり、井上を倒すチャンスのある優れた相手と対戦して、井上が奮闘するのを見たいものだ」
井上の次期挑戦者とされるピカソは、24歳と若く、31戦負けなし(1分け)のメキシコのホープだが、これまで世界タイトル戦の経験がない。24度の世界タイトル戦の経験を持つ井上と比較すると、そのキャリアに大きな差がある。
記事では、「井上が米国で戦うなら、ファンが見たいと思うような、井上を倒せる可能性のある相手と戦う必要がある。ファンは、井上が経験不足のピカソと戦うのを見て興奮することはないだろう。井上が本物かどうか確かめるために、身長185センチのラファエル・エスピノサ(WBOフェザー級王者)と対戦させ、この男の身長に対処できるかどうかを見たいのだ」とした。
スポーツ紙の報道によると、ピカソ戦で勝利すれば、その次はWBA世界スーパーバンタム級暫定王者ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン、30)との防衛戦を計画。そして、25年度4戦目に、WBA世界フェザー級王者ニック・ボール(英国、27)との対戦を計画しているという。