「きのこの山」「たけのこの里」に異変 「チョコ」がいつの間にか「準チョコ」に...明治が明かしたその経緯

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   人気のお菓子「きのこの山」「たけのこの里」について、「チョコレート菓子」だったのが、いつの間にか「準チョコレート菓子」になっていると、ネット上で話題になっている。

   カカオ分の割合で、「チョコ」か「準チョコ」かの表示になるが、発売元の明治(東京都中央区)は、商品パッケージの表示変更を発表していなかった。どんな事情があったのだろうか。

  • 「準チョコレート菓子」に
    「準チョコレート菓子」に
  • チョコと準チョコの違いは?(写真はイメージ)
    チョコと準チョコの違いは?(写真はイメージ)
  • 「準チョコレート菓子」に
  • チョコと準チョコの違いは?(写真はイメージ)

「実質サイレント値上げ」「しれっとカカオ減らした」との声も

   バレンタインデーの2025年2月14日が近づき、デパ地下などのチョコ商戦が活発だが、今回は、異変が起きているともテレビ番組などで伝えられている。

   原料となるカカオ豆の価格が高騰し、チョコの値段も上がって、クッキーとのミックス商品などが人気だというのだ。

   そんな中で、1月28日ごろ、「きのこの山」「たけのこの里」が「準チョコレート菓子」になっているとX上で報告があり、2月2日になって、ネット掲示板やまとめサイトで、そのことが取り上げられ、大きな話題になった。

   準チョコレートとは、業界で定めている「チョコレート類の表示に関する公正競争規約及び施行規則」によると、カカオ分が全重量の15%以上含まれるなどのものを指す。これに対し、チョコレートとは、カカオ分が全重量の35%以上含まれるなどのものだ。チョコレート生地が全重量の60%未満なら、「チョコレート菓子」「準チョコレート菓子」と菓子が付く。

   明治のサイトでも、準チョコについて解説があり、「カカオの風味はチョコレート生地よりも弱くなります」「コスト面と風味のバランスを考えて作られている」などとあった。

   カカオ豆高騰などから、明治は1月17日、5月20日発売分から「きのこの山」「たけのこの里」の内容量を1割ほど減らすと公式サイトで発表した。しかし、この中では、準チョコへの変更は触れられていなかった。

   この変更が話題になると、ネット上では、様々な意見が寄せられた。

   「品質も下がっちゃうのか...」「実質サイレント値上げ」「しれっとカカオ減らした」と厳しい声も上がった。もっとも、原材料高などから理解を示す声も出て、「気づくか気づかない程度の差しかないの企業努力を感じる」との意見もあった。

植物油脂との「代替による味への変化はございません」

   前出の公正競争規約を運用している「全国チョコレート業公正取引協議会」の担当者は2月3日、J-CASTニュースの取材に対し、準チョコなどに表示を変更することについて、こう答えた。

「表示を変えるときに、メーカーが申請したり発表したりしないといけないというルールはありません。表示と中身が一致してさえいれば、規約上は問題ありません」

   規約については、景品表示法の第36条に基づいて締結されていると説明した。

   「きのこの山」「たけのこの里」について、明治の広報部は5日、取材に対し、24年9月生産分から準チョコへの表示変更をしたと答えた。

   その理由については、「カカオショックの影響が続く中でも、お客さまに商品をお届けし続けるため、カカオバターとの配合量を調整する規格変更に伴う表示変更を行いました」と説明した。配合量は、植物油脂との間で調整したというが、「代替による味への変化はございません」と述べた。

   プレスリリースなどで変更を発表していなかったのは、原料を変えるときは通常、発表対応をしていないからだとしている。ただ、客に聞かれたり取材を受けたりしたときは、真摯に対応して説明しているとした。

   ネット上では、明治の「アーモンドチョコレート」「明治ハイミルクチョコレート」なども、「準チョコレート」に変わっていると指摘が出ており、実際コンビニなどを回ると、この表示になっていた。

   このことについては、広報部では、次のように説明した。

「2024年9月生産分以降、一部商品につきましては、規格変更を行っています。カカオバターとの配合量を調整しました。それに伴い、商品パッケージの表示を変更しております。カカオ産地の課題やチョコレートを取り巻く市場課題について、弊社としては課題解決に取り組むとともに、今後ともお客様へ丁寧に説明してまいります」

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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