米ファンドが辞任要求のフジ・日枝久相談役とは何者なのか 識者「独裁はダメだとした人が独裁者に」

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「社長を外部から迎える『サントリー方式』に」

   フジテレビで日枝氏の支配が強まった背景について、テレビ東京で長くプロデューサーを務めた経験がある桜美林大学芸術文化学群の田淵俊彦教授(メディア論)は2月4日、J-CASTニュースの取材に3つの要因を指摘した。

「1つは、鹿内一族の独裁政権の下で、視聴率三冠王を取り続ける黄金期を作ったことです。また、春雄氏が亡くなって社長を継ぐと、独裁はよくないとクーデターを起こした。さらに、ライブドアによる買収を阻止したことが社内で評価され、ターニングポイントになりました。皮肉なことに、独裁はダメだとした人が独裁者になったとも言えるわけで、歴史は繰り返されるというのを感じますね」

   一方、日枝氏が40年余も取締役に君臨することでマイナス面も大きくなったとする。

「自らが気に入った人しか幹部にせず、社内の隅々まで支配が行き渡って、その影響を一掃するのが非常に難しくなりました。日枝氏が取締役を辞めても、同じことが繰り返されない保証はありません。日枝氏に重用された清水賢治新社長も含めて、経営陣は皆辞めないとどうしようもない感じもします」

   田淵教授は、ダルトンが書簡で社外取締役を取締役会の過半数とすべきと求めたことは、重要だと指摘する。

「投資ファンドの後ろには、投資家がいて、日枝氏の影響が続くことを許してくれません。ドラスティックな見方ですが、まっとうな指摘でしょう。私は、社長を外部から迎える『サントリー方式』にした方がいいのではないかと思っています。この際は、経営陣を刷新した方が『フジテレビは生まれ変わったよ』ということをアピールできるのではないでしょうか」

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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