ラーメン店倒産が最多 二大スープ味「醤油」「とんこつ」が半数以上も...「横浜家系」「二郎系」「つけ麺」が少ない理由

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   ラーメン店の倒産ラッシュが止まらない。

   東京商工リサーチが2025年1月31日に発表した「2024年『ラーメン店』倒産状況」によると、倒産件数が過去最多に達した。

   倒産店のメインスープは「醤油」「とんこつ」の二大人気で半数を超えるが、横浜「家系」や「つけ麺」は安泰だという。どういうことか。調査担当者に聞いた。

  • ラーメン店倒産が最多(写真はイメージ)
    ラーメン店倒産が最多(写真はイメージ)
  • (図表)ラーメン店の倒産の年次推移(東京商工リサーチ作成)
    (図表)ラーメン店の倒産の年次推移(東京商工リサーチ作成)
  • ラーメン店倒産が最多(写真はイメージ)
  • (図表)ラーメン店の倒産の年次推移(東京商工リサーチ作成)

仙台の超人気ラーメンチェーン「だし廊」の破産

   東京商工リサーチの調査によると、2024年に倒産したラーメン店は57件(前年比26.6%増)で、過去最多だった2023年の45件を大幅に更新した。行列のできる人気ラーメン店がある一方で、食材代や運営コストの高騰に見舞われ、経営に行き詰まるラーメン店の淘汰がハイペースで進んでいる。

   ラーメン店は小規模でも開業できるため新規参入が多い。ただ、生存競争は激しく、一説には廃業率は1年以内40%、3年以内70%といわれる。コロナ禍では休業要請もあり、コロナ関連支援で倒産が減少した。

   ところが、コロナ禍が落ち着き、お客が戻ると同時に急激な物価高と人手不足が押し寄せた。材料価格や光熱費が急騰し、人手不足で人件費も上昇するなか、よほど特徴のないラーメン店は「1000円の壁」に阻まれ、客足に影響する値上げを容易にできないまま収益が悪化している。

   倒産したラーメン店のメインスープの味は、「醤油・中華」が29.8%、「とんこつ」が24.5%と、人気を二分するスープが半数を超える。次いで、「味噌」12.2%、「塩」8.7%と続く。そんななかでも横浜「家系」が5.2%、「つけ麺」が1.7%と、独特の味が強みのジャンルは倒産が少ない。

   2024年の最大の倒産は、2月に負債総額約2億6000万円で民事再生法を申請した「ブロスアップ」(宮城県仙台市)。ラーメンチェーン店「だし廊」を経営、素材の味を引き出したスープで地元では知らない人がいない人気店だった。コロナ禍の投資失敗や原材料価格の高騰などで資金繰りに行き詰まり、事業継続を断念した(その後、スポンサーの支援により、別会社で営業を継続)。

   東京商工リサーチでは、こう分析している。

「今後は、質と価格を求めた仕入ルート開拓、味や盛り付けによる差別化、オペレーションの効率化など、時代の変化に柔軟に対応しないとラーメン店の淘汰はさらに加速する可能性が高い」
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