プロボクシングのスーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋、31)が、年内に1階級上のフェザー級での世界タイトル戦を計画している。
WBO王者は身長185センチで26戦全勝(22KO)
スポーツ紙の報道によると、井上陣営は25年度に4試合を計画しているという。25年の初戦は、1月24日にスーパーバンタム級の王座防衛戦を行い、王座防衛に成功。残り3試合となるが、25年度最後の試合がフェザー級の世界タイトル戦になる見通しだ。
相手は、WBA世界フェザー級王者ニック・ボール(英国、27)。開催地は不透明だが、海外で試合を行う可能性が高いとみられる。ボールに勝利すれば、26年は再びスーパーバンタム級に階級を戻す計画だという。
井上は近い将来、本格的にフェザー級転向を視野に入れている。階級を上げれば、即世界タイトル戦が予想される。
現在、フェザー級には、世界主要4団体のWBA、WBC、WBO、IBFの王座を保持する4人の世界王者が存在する。年内にも対戦が実現しそうなボールの他に、どのような王者が君臨するのか。
4人の王者のうち、無敗を誇るのが、21勝(12KO)1分けのボールと、WBO王者ラファエル・エスピノサ(メキシコ、30)の2人だ。
身長185センチと、フェザー級では長身のエスピノサは、26勝(22KO)無敗。23年12月に、五輪で2度金メダルを獲得したロベイシ・ラミレス(キューバ、31)を判定で破り、WBO王座を獲得した。24年12月の再戦では、6回TKOで退け、勢いに乗る注目の世界王者だ。
IBF王者は亀田和毅と対戦の可能性が
IBF王者アンジェロ・レオ(米国、30)は、元WBO世界スーパーバンタム級王者だ。24年8月にIBFフェザー級王座を獲得し、世界2階級制覇を達成。戦績は25勝(12KO)1敗で、海外メディアの報道では、5月に元世界2階級制覇王者の亀田和毅(TMK、33)と対戦する可能性があるという。
フェザー級4王者の中で、日本のボクシングファンに最も馴染みがあるのが、WBC王者スティーブン・フルトン(米国、30)だろう。
フルトンは、元WBC・WBO世界スーパーバンタム級王者で、23年7月に井上の挑戦を受けた。試合は井上のパワーに屈して8回TKO負け。その後、24年9月に再起し、25年2月2日にWBCフェザー級王座を獲得した。
再び井上の対戦候補に挙がったフルトンだが、米メディアはフルトンに厳しい評価を与えた。
米ボクシング専門メディア「ボクシングニュース24」(ウェブ版)は、フェザー級の世界ランカーには強豪がひしめくとし、「30歳のフルトンにとって、新たに獲得したWBCフェザー級タイトルを保持するのは困難だろう」との見通しを示した。
井上が本格的にフェザー級に進出するまで、現在の4人の王者は王座に君臨し続けられるか。今後の動向に注目が集まる。