志が高い客を利用して利益を出すのが搾取ビジネス。人の心に漬け込み、手助けをするふりがうまく、ターゲットから金銭を搾り取る悪質な人間は、どの業界にも必ず存在するだろう。
悲しいことに、夜の世界にも搾取ビジネスが蔓延してしまった。一時期、夜の業界ではセミナーブームが巻き起こり、「指名を取るテクニック講座」「SNS運用のコツ」「売れっ子が持つべきマインド」等、ありとあらゆる授業が各所で展開された。
現在も現役、あるいは業界の卒業生がセミナーを行い、現在でも多数の生徒を抱える講師も多い。
なぜ起きる?マルチ商法の夜職バージョン
本当にためになる授業ならよいが、一部の界隈では高額を支払わせ、金額と中身が見合わないという被害報告が多発。なぜか。悪徳な商売をする講師の過半数以上が業界卒業後の収入に困り、セミナービジネスに手を出す流れがあるからだ。彼らは利益だけが目的のため、同業者を食い物にすることに対する抵抗がない。
生徒自身が騙された事実に気づけばまだマシな方で、なかにはすっかり「信者」と化し、搾取され続けるのもよくあるケース。信者は講師を過信し、仲間を作るべく知人友人を勧誘しがちだ。
結果的に悪徳業者を助長し、マルチ商法の夜職バージョンが見事に完成してしまう。
同業者同士で喰い合うこともあれば、昼職の人間がナイトワーカーをターゲットに搾取ビジネスを始める例も少なくはない。夜職=「お金はあるけど頭が弱い存在」と少々キャストを見下しながら、投資や会社設立の話を持ちかけるのは「繁華街あるある」の一つ。もちろんお金など返って来ず、ほとんどが「トンズラ」されるのがオチなのだが。