お金があるから投資する?投資するからお金がある?
――ところで、年収や貯蓄額からみた投資意欲の比較が面白いです。投資に興味ある人は年収や貯蓄高が高い傾向がはっきり出ていますが、これをどう分析しますか。
「卵が先か、ニワトリが先か」の問いかけになりますが、お金があるから投資に興味があるのか、それとも投資に興味があるから、お金が集まってくるのか。どちらでしょうか。
担当者 前者はある程度の貯蓄があると、それを運用してさらに資産を増やしたいという動機が生まれます。後者は投資のために計画的に貯蓄したり、投資を通じて経済や金融に関する知識が深まったりするため、無駄遣いを減らすようになると考えられます。
そのため、貯蓄と投資意欲が相互に影響し合っている可能性が高く、卵とニワトリの好循環を生み出していると考えられます。
――なるほど。今回の調査で特に強調しておきたいことがありますか。
担当者 投資に興味を持っている割合や、投資に興味を持ったきっかけで年代差が大きく出た調査結果となりました。年代差があるため、投資教育や情報提供を行う際には、年代別の特性を考慮し、適切な情報を提供していくことが重要になりそうです。
現在、高校での金融教育が義務化されましたし、国のスローガン「貯蓄から投資へ」のもと、多くの人が資産形成しやすいよう、新NISAの非課税限度額の引き上げや、iDeCo(個人型確定拠出年金)の加入可能年齢が「60歳まで」から「65歳まで」への引き上げがありました。
高校生から高齢者まで、投資に対しての積極的な参加を促進させています。投資熱はどんどん高まるでしょう。今後も投資関連の動きに引き続き注目していきたいと思います。
(J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)