50代が投資を避けるのは、青春時代にバブル崩壊を経験
――私が意外に感じたのは、あぶらが乗り切ってビジネス経験が豊富なうえ、投資に回せる預貯金も多い50代が意外と少ないこと。老後も視野に入れれば、投資熱が一番高いのではと思ったのですが、なぜ少ないのでしょうか。
担当者 50代は子どもの大学進学などの教育費や、親の介護などの負担がピークを迎える時期だったり、住宅ローンの返済、定年退職が近づいていたりしているので、一番お金の支出が多くなる年代でもあります。
また、青春時代にバブル崩壊(1990年代前半)を経験していることもあり、リスクの高い投資を避ける傾向があるのかもしれません。
――現在行っている投資では「投資信託」が1位ですが、やはり新NISAが始まったことが影響しているのでしょうか。
担当者 金融庁の調査データや各シンクタンクの報告を見ても、新NISAの影響が大きいと思われます。また、個別株に投資する株式投資と比べ、分散投資する投資信託のほうがリスクは低いことも人気が高い理由のひとつであると考えられます。
――投資に興味をもったきっかけ1位をみると、20~30代がSNS、40~50代がテレビ、60代が「退職」と、見事に分かれていますね。また、20~40代では「副業による収入増加」も上位にランクインしています。やはり近年、副業を認める企業が増加したことが影響しているのでしょうか。
担当者 投資に興味を持ったきっかけの1位が分かれているのは、それぞれの年代が主に接触する情報源やライフステージが異なるためと考えられます。
若い世代に「副業」がきっかけの人が多いのは、副業によって収入が増加したことで投資に回せる資金が増え、投資への関心が高まっているのではないでしょうか。