2025年1月27日に行われたやり直し記者会見で、フジテレビの港浩一前社長ら経営陣は、中居正広氏とトラブルになった女性に対する「人権への認識が不足していた」と陳謝したが、元TBSアナウンサーでエッセイストの小島慶子さんは「そもそも放送業界は人権意識が低い」と指摘した。
「心身を本当に痛めつけられながら働いてきた人がたくさんいると思う」
小島さんは2月1日放送の「報道特集」(TBS系)で、日下部正樹キャスターのインタビューを受け、NHKや民放キー局のテレビ出演者の男女の比率を調べたデータを示しながらこう話した。
「年代別で見ると、10代、20代は圧倒的に女性が多いんですね、男性よりも。10代、20代の女性たちはどんな仕事をしているかを見てみると、アナウンサー、キャスター、モデル、タレント。30代を見てみると、急に女性が減ってるんですね。それで男性が増えてきます。若くて見た目の整った女性しか画面に映す価値はないという、非常に強固なこの業界の思い込みをすぐに捨ててほしいです」
女性のアナウンサーやスタッフを「お飾り」のように扱う体質は、放送業界全体にあるとして、さらにこう話した。
「どんな無茶なこと、非常識なことも平気でやってのける男だけが良き働き手とされて、女性がそういう現場で働かざるを得ない状況が長く続いてきたというのが、この業界における女性の扱い、さまざまな被害を生む温床になっている。その中で、ハラスメントの被害に遭っても声を上げられずにきたとか、仕事っていうのはこういうものなんだって自分に言い聞かせて、心身を本当に痛めつけられながら働いてきた人がたくさんいると思う」