「経営上求められる検査や治療」の存在認める医師も
「MRIなどの検査をやたらと勧めてくる医者は歓迎すべきではありません」と指摘するのは、医師・ジャーナリストの富家孝氏である。その著書で「病院経営ばかりに頭がいっている医者は、導入した高額の最新機器を前に『どうしたら、早く元がとれるだろうか』と思っているわけで、そのために患者に不必要な『念のため』の検査を勧めるのです」と明かす。それを裏付けるのが京都大学大学院工学研究科・藤井聡研究室が2022年に発表した論文「医師アンケートに基づく過剰医療の実態に関する研究」だ。「経営上求められる検査や治療が、どちらかと言えば存在している」と答えた医師が全体の4割に上ったのは衝撃である。
ハンバーガーを注文した客に、「ポテトもご一緒にいかが」と迫るような「過剰検査」は勘弁してもらいたいものだ。
(ジャーナリスト 倉井建太)