ビデオカード抽選で中国人客大集結、幼稚園侵入で警察出動も...秋葉原のPC店が明かした一部始終

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   ゲーム用に人気のある米NVIDIAの新型ビデオカードを購入しようと、東京・秋葉原のパソコン店前に客らが集結して、一部の客による迷惑行為もあったと、X上で報告が相次いでいる。

   近くの区立幼稚園に侵入する客もいたといい、警察が出動する騒ぎにもなった。どんな状況だったのか、パソコン店の運営会社などに取材した。

  • 左側のフェンスに登る男女の姿も(写真は、立山登さん提供)
    左側のフェンスに登る男女の姿も(写真は、立山登さん提供)
  • パソコン工房秋葉原パーツ館の公式Xから
    パソコン工房秋葉原パーツ館の公式Xから
  • 左側のフェンスに登る男女の姿も(写真は、立山登さん提供)
  • パソコン工房秋葉原パーツ館の公式Xから

怒号が飛び交い、近くの幼稚園のフェンスに登る人も

   「現場は大混乱しております」。2025年1月30日の15時過ぎ、店を訪れた立山登さんは、Xで実況中継して、その様子を撮った写真もアップした。

   店の前には、車も通れないほど人が集まっている。怒号が飛び交っていたといい、近くの幼稚園のフェンスに登る人までいたという。写真をよく見ると、フェンスの上に立つ男女2人の後ろ姿も見えた。

   このときは、「パソコン工房秋葉原パーツ館」で人気ビデオカード「GeForce RTX 5090」を販売するための抽選券配布が行われた。店では、先着100人に10点を販売すると事前に告知している。NVIDIAのサイトでは、このカードは、この日の23時に約40万円からの価格で発売すると告知され、店では、抽選券で購入できるようにした。

   店では、15時よりも前には並ばないよう呼びかけていたが、立山さんの投稿によると、昼ごろには、もう客が並んでいたという。店からの指導があって列はなくなったが、15時近くになって店の近くでたむろするようになった。そして、15時になると、客が押し寄せて大混乱になり、しばらくして抽選が終了した。

   16時からは、別のビデオカード「GeForce RTX 5080」の抽選券配布が予定されていたが、店は、ウェブ抽選に切り替えると告知した。この騒ぎで、秋葉原の他店では、翌31日の店頭販売を中止するなどの対応が行われた。

   パーツ館前に客が集まった状況について、立山さんは31日、J-CASTニュースの取材に応じ、あちこちで中国語が聞こえ、中国人がとても多かったとした。頻繁にスマホを取り出し、電話をしながら行動していたとも明かした。

幼稚園の看板が半分折られ、店が弁償を申し出る

「抽選開始の呼びかけが店員から始まると、周辺に集まっていた希望者が走って殺到し、列への割り込みなどの混乱が始まり、店員がなんとか整列させようと必死になって声かけをしていました。その直後、ガタガタ!という大きな音がして、ちょうど列にそって建てられていた幼稚園の柵の上に登って乗り越えようとする男性と女性の2人が見えました。少しでも列の先に割り込むため、柵を越えて回り込もうと試みた様子でした」

   幼稚園のフェンスに登った2人に対し、店員が「止めて!降りて!」と日本語で叫んだが、しばらく降りなかったという。

   店について、立山さんは、大勢のスタッフを出して懸命に対応していたと評価した。その一方、15時の前に並んだ客を無効にはせず、抽選券を全員に配るなどの措置も取らなかったなど、対応に不十分な面が見られたと指摘した。

   幼稚園を運営する千代田区教委の指導課は1月31日、フェンスに登った人がいることは聞いていると取材に答えた。X上では、幼稚園の看板が半分折られたとしてその写真が投稿されており、この点についても把握しているとして、こう話した。

「人が多く来て、フェンスに触れたときに壊れた可能性もありますが、はっきりしていません。店の人がすぐに幼稚園へお詫びに来て、看板については、弁償しますと申し出がありました」

「店頭での抽選を主催しましたので、我々の責任」

   パソコン工房秋葉原パーツ館を運営するユニットコム(大阪市)の広報担当者は1月31日、取材に対し、前日のビデオカード発売日には、15時の前に並ぶ客もいて、一時は200人以上になったと答えた。

「抽選にカウントしません、無効にします、と説明しましたが、中国の方が多く、なかなか伝わりませんでした。日本語が分かっていても、私どもの話を聞かない方もおられました。20人ぐらいで警備しましたが、15時には、300人ぐらい集まり、近隣にご迷惑をかけてしまいました」

   区立幼稚園では、中国人とみられる男性1人がフェンスを乗り越えて園内に侵入したとし、園側がこの男性を確保して裏門から出てもらったという。その後、交通の妨げになるとして、警察が駆け付けて来たとした。15時20分ごろに、店員が店頭での抽選は中止すると告げ、ようやく混乱が収まったとしている。

   幼稚園の看板が壊されたことについては、誰がやったのかは分からないとしたものの、こう話した。

「店頭での抽選を主催しましたので、我々の責任になります。幼稚園には謝罪しており、看板については弁償します。店を始めて20年以上になりますが、こんなことは初めてです。今回は、想定外の人が集まってしまいました」

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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