ビニールケースにお金入れる「100均財布界隈」増殖中...キーワードは「共感」、識者と背景を考えた

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名前をつけることで可視化される「界隈」は共感できる人同士で集まる

   2つめの観点が、「界隈」という存在。100均財布の台頭を紐解くのに不可欠なワードだ。

   「界隈」は、24年「ユーキャン新語・流行語大賞」トップ10に選出。公式サイトでは、「同じものが好きな人同士でつながって楽しむような意味合い」で使われ始めたと説明されている。

   長田氏は、「名前がついてバズったことで共感する人が集まっていく。潜在的なものが界隈として名づけられたことで、見える化していく」と説明。例えば、意図的に入浴を控える「風呂キャンセル界隈」、長距離を散歩する「伊能忠敬界隈」などがあり、100均財布界隈はその事例の1つなのではと指摘した。

   100均財布においては、「子どもっぽい」「みっともない」のようなネガティブな意見もある。しかし、「自分だけじゃなかった」と気づくことで仲間に出会えるきっかけになるという。若者には「周りの人は共感してくれないかもしれないが、自分が生きやすくなるにはダメなところに共感して認めてくれる、許してくれる仲間を探したい」という気持ちがあるとみている。

「みんなで楽しむというよりも、少数でも共感してくれる・熱量が高い人同士で集まる。今は、それを軸にして、様々なトレンドや消費が生まれていく流れがある。100均財布もみんなが持っているわけではなく、Z世代全体の大きなトレンドではありません。けれども財布を小さくしたいとか、ブランドものじゃなくてもいいとか、そこに共感できる人たちが財布界隈に集まってきているのでは」
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