2025年1月上旬、「100均財布界隈」というワードがXで大きな話題を集めた。100円ショップで販売されているような、カードサイズのビニール製ケースを財布として使う人々を指す言葉で、主に若い女性の間で支持されている。
なぜ100均財布が若者の間で流行っているのか。若者に特化したマーケティング研究機関「SHIBUYA109 lab.」所長の長田麻衣氏に、その背景を考察してもらった。
キャッシュレス化で財布のミニサイズ化進む
Xでは「自分も使っている」として100均財布の写真を投稿する人が相次いだ。サンリオ、ディズニー、おぱんちゅうさぎなど、キャラクターが描かれたカードが入るほどの大きさのビニール製ケースを「財布」として使っているという。必ずしも100円ショップのものではないようだが、多くは100円ショップのケースを使用しているという。
「100均財布」を使う意図としては、「汚れてもすぐ買い直せる」「中身が透明だと見やすい」「小さい鞄の時に使う」「財布にお金をかけるのがもったいない」「キャッシュレス化で現金を持たなくなった」といった、様々な理由が挙げられた。
長田氏は1月30日、J-CASTニュースの取材に対し、若者の間で100均財布が流行っている背景を大きく分けて2つの観点から説明した。
まず、小さいカバンの流行やキャッシュレス化によって財布がミニサイズ化したこと。「財布を出すタイミングが少なくなっていて、財布にお金をかけなくてもいいと思う層が出てきたのだなと、しっくりきています」と指摘する。必要な財布の容量は確実に減ってきているため、ファッションの面でも、小さめの財布は今よりさらに求められるとみる。
一方で、ハイブランドなどの高額な財布も人気を維持すると推察する。低価格帯の商品が出れば出るほど、ブランドの価値は上がっていくとし「TPOによって使い分けることになると思います。楽しみ方や選択肢が広がっていくようになるのではないでしょうか」と指摘した。