プロ野球日本ハム、福岡ダイエー、中日、巨人で投手としてプレーした野球解説者の武田一浩氏(59)が、2025年1月30日に公開されたユーチューブ動画「みんなのプロ野球チャンネル」に出演し、大リーグのロサンゼルス・ドジャースに入団した佐々木朗希投手(23)の投球を分析した。
武田氏「俺は28歳くらいで球速が落ちた」
動画では、佐々木の球速がなぜ落ちたのかを、武田氏が自身の現役時代の経験を踏まえて解説した。
佐々木は、岩手・大船渡高校時代に球速163キロを記録。プロ入り後も160キロ超えの剛速球を連発させてきたが、24年シーズンは平均球速がこれまでよりも低下した。
スポーツ紙の報道によると、23年シーズンの直球の平均球速が159.3キロだったのに対し、24年シーズンは155.9キロまでに落ちたという。
佐々木の球速はなぜ落ちたのか。
武田氏は、「(24年シーズン前の)キャンプの時からあまりよくなかった」とし、「(プロに)入ってずっと1軍で投げて、4、5年するとそういう(球速が落ちる)傾向は、たぶんどの選手もあると思う。勤続疲労というか」と語った。
そして、自身の経験を交えて、こう続けた。
「俺は28歳くらいで球速が落ちた。そこでたまたま2軍でずっと練習する時間があったので、そこで盛り返せたからよかった。それがなかったら、たぶん(球速が)落ちたままだったんじゃないかな。1年間、2軍で投げて、その間に練習ができて、38歳くらいまで(野球が)できた」
「体が大きくなれば、変わっていくのだろう」
明治大学出身の武田氏は、87年ドラフト会議で日本ハムに1位指名され入団。95年オフに交換トレードで、福岡ダイエーに移籍すると、プロ11年目の98年シーズンに13勝を記録し、パ・リーグ最多勝のタイトルを獲得した。
武田氏は、自身の球速が落ちた原因に関して、「やっぱり筋力が落ちていたんじゃないかな」と自己分析し、佐々木について、次のように言及した。
「走るのも、投げるのもそうだし、フォーム的なこともそうだし。(自分は)いちからやり直す時間があったので、できてよかった。いつも一緒だと思っていても、微妙に違っていたり、力を入れるタイミングが違ったりとかあるから。(佐々木は)その部分で何かあったんじゃないかな。18歳から(プロで)投げているわけだから」
ドジャースとはマイナー契約ながら、米国内での佐々木の評価は非常に高い。「MLBパイプライン」、米スポーツ局「ESPN」などのメディアが作成する、有望株ランキングトップ100で軒並み1位に選出されている。
大きな期待がかかる佐々木だが、大リーグ1年目で球速は復活するのか。武田氏は「体が大きくなれば、変わっていくのだろうけど。大谷(翔平)だってケガをしながら体が大きくなっていって、よくなっている感じなので、そこらへんは試練じゃないかな」との見解を示した。