林芳正官房長官が2025年1月30日に行った定例会見で、引退したタレントで俳優の中居正広さんと女性とのトラブルをめぐるフジテレビの対応を受け、「現下の状況等を踏まえ、当面フジテレビへの広告出稿は見合わせる」と発表した。
SNSでは、影響が日本政府へも広がっていることに驚く声が上がっているものの、理由は具体的でない。
「実施中のものや予定しているものが4件」
会見では、フジテレビが関与する政府の広報啓発活動に関する質問が飛んだ。
林氏は、「フジテレビをめぐる現下の状況等に鑑み、内閣官房内閣広報室から各府省において、株式会社フジテレビジョンが関わる広報啓発活動の予定等を把握するため、該当する広報啓発活動について照会を行いましたところ、1月29日時点で広告については実施中のものや予定しているものが4件ありましたが、全て取りやめとなっており」と報告した。
「内訳は、内閣府の政府広報が2件、厚生労働省と国税庁が各1件でございます」という。
CM広告以外にも、「タイアップや番組制作への協力などについて、消防庁の1件がすでに見直しを行っておりまして、内閣府の1件、海上保安庁の2件が対応検討中ということでございます」とした。
取りやめたCMについては、「内閣府の政府広報の2件につきましてはTVerで現在配信を行っている動画広告と、年度内に民放各局に出稿する予定のテレビCMの同社への出稿を取りやめております」と明かした。
調査結果を踏まえた内閣官房の対応については、「現下の状況等を踏まえまして、当面株式会社フジテレビジョンへの広告出稿については見合わせる」とした。
「同社が作成する番組などとのタイアップや企画制作への協力につきましては、その趣旨、目的、効果等、各省において総合的に勘案し内閣官房に相談の上対応をする」。「報道番組への出演や報道のための取材対応については通常通りの対応とする」という。
総務相は「しばらく情勢を見守るしかないかな」と発言したばかり
しかし、政府が単純に民間企業に右倣えの判断でいいのか疑問の声もあり、対応をめぐっては、「具体的にフジテレビのどのような点を問題視して取りやめたのか」との質問も出た。これに対しては、「先ほど申し上げましたように、フジテレビをめぐる現下の状況等に鑑みて、ということでございます」と同じ答えを繰り返すばかりだった。
本騒動をめぐっては、17日に行われた会見で村上誠一郎総務相が「しばらく情勢を見守るしかないかなと考えております」と語っており、管轄官庁との整合性の問題には触れなかった。
SNSでは、内閣の対応を受け、「いや、広告見合わせるくらいだったら、まずは総務省がちゃんと調査に乗り出すべきなんじゃないのかな?」 「政府がフジテレビに広告出すの止めたりタイアップを見直したりしているみたいだけど,そこまでするなら普通に停波して業務改善命令出せば良いんじゃないの? やること中途半端では?」といった指摘も上がっている。