もう「情報弱者」と言わせない... シニアのスマホスキルを上げる秘訣は?担当者に聞いた

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「ガラケーをいつ手放したか」が、70代のスキルの差に

   J‐CASTニュースBiz編集部は、調査をまとめたモバイル社会研究所の水野一成さん(シニア・子ども・防災調査担当)に話を聞いた。

――図1のスマホスキル9つのチェック結果が面白いです。70代の私は、上から5つまではできますが、残り4つはダメ。同世代の妻は「Wi‐Fiに接続」と「写真の編集・加工」だけがダメという結果でした。

妻によれば、「Wi‐Fiに接続」は普通に使っていれば必要ないはず、「写真の編集・加工」はパソコンに送って編集・加工すれば済む話と申していますが、いかがでしょうか。

水野一成さん シニアの中で特に男性の方に多いのですが、スマホよりパソコンの利用に慣れており、スマホではそのスキルを持っていない場合でも、パソコンで可能な方がいます。

Wi-Fiについては、ご自宅などで一度設定しておけば、それ以降は意識せずご利用いただけると思いますが、初めて利用する際にご自分で設定ができるか、という観点になります。

――この9つは基本中の基本と思われますが、これ以外にも私たちシニアもマスターすべきだという基本スキルがあれば教えてください。今後のスキル向上の参考にしたいです。

水野一成さん 今回の調査で例示したスキルは実際にスマホを活用するために、ある程度必要であるものを列挙しました。これ以外にも必要なという視点ではなく、このスキルを身に着けているとできるサービスがある、つまりスマホによってより豊かな生活に繋がる可能性があります。

どんなサービス(アプリ)を使いたいかは人それぞれかと思います。私からぜひお勧めしたいのは、防災系アプリです。発災時にはプッシュで通知が飛んでくるアプリが多く、減災に繋がる可能性があります。そのためにも「アプリのダウンロード」のスキルは必要となります。

――【図表2】の経年変化で70代前半のスキル向上が1直線に上昇していますね。その一方で、60代前半が2023年に凹んだり、70代後半が2024年にスキルが下がったりするなどバラツキがあります。これはなぜでしょうか。

水野一成さん これはスマホの普及と関連している可能性があります。ここ数年は70代の普及の拡大が大きいです。ところが、60代はすでに90%以上に普及しており飽和状態にあります。つまり、70代は全体的にスキルをどんどん学んで吸収する発展途上にあるわけですね。

ただ、所有のきっかけは「フィーチャーフォン(いわゆるガラケー)が使えなくなると聞いた」とか「フィーチャーフォンが使えなくなった」といった受動的理由が特に70代後半に多いです。

そのため、70代前半の多くは周りがスマホを持ち、友人からの情報もあり、スキル向上が続いているのに、70代後半は受動的理由でスマホを持った(あまりスキルが高くない)割合が増えたことが要因にあると思われます。
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