経済アナリストの森永卓郎さんが2025年1月28日に自宅で亡くなった。67歳だった。息子で証券アナリストの森永康平さんがXで伝えた。
卓郎さんはかねてより「原発不明がん」のため闘病中であることを明かしていた。SNSでは、前日まで精力的に仕事を続けていた森永卓郎さんの訃報を惜しむ声が相次いでいる。
「本人だけでなく私たち家族も勇気づけられていました」
康平さんは28日、Xで「父、森永卓郎についてのご報告です」として所属事務所・モリタク名義の書面を公開した。
「このたび、森永卓郎【67歳】が、1月28日(火)13時33分、原発不明がんのため、自宅にて逝去いたしました」
「森永は2023年末にがんが判明。その後、闘病生活を続けるなかでも、経済アナリストとして精力的に発信を行ってまいりました。生前最後の生放送の出演は1月27日(月)放送『大竹まこと ゴールデンラジオ!(文化放送)となりました」
康平さんは同書面を通じ、コメントを発表した。
「闘病中は本当に多くの方から応援のメッセージをいただき、本人だけでなく私たち家族も勇気づけられていました。ありがとうございます」と感謝をつづり、「余命宣告を受けてから、父は病状や体調、治療状況などについて、可能な限り皆様に共有しようとしていました」と晩年の卓郎さんについて振り返った。
康平さんは「まだ気持ちの整理が出来ていませんし、暫くは長男として母を支えつつ、様々な手続きなどの対応もしなくてはいけない」としつつ、今後は「余命宣告をされてから今日に至るまでの闘病の様子や、父の最期の様子なども、皆様にご報告させていただければと思います」としている。
「この1週間ほとんど何も食ってないんですよ」
生前最後のラジオ出演となった『大竹まこと ゴールデンラジオ!』では、「今日は家にいまーす」と自宅からリモート出演した。
番組冒頭、「実は1週間前から、体調が急激に悪くなってですね。今ほとんど動けないし、この1週間ほとんど何も食ってないんですよ」と切り出した森永さん。
「パワーがなくなって今ボロボロなんですけど、今日は行けるとこまで行きます」と強気な姿勢を見せていた。
月曜日パートナーの阿佐ヶ谷姉妹の2人は、心配そうにしつつ「お顔を見れて良かったです」。司会の大竹まことさんも「根性の塊。こういう時に、根性」と森永さんの気力に納得しきりだった。
「人を袋叩きにするために生まれてきたんじゃない」
最後となったラジオ出演では、印象的な場面があった。石破茂首相が施政方針演説で語った「楽しい日本」についての解説を行ったところだ。
森永さんは「多くの国民が『何わけわかんないこと言ってんの?』と思ったと思うんです。かくいう私もそうだった」「改めて思うようになったのは、案外それが正しいんじゃないかっていうこと」とした。
社会の分断が進む中、「一部の人たちをボッコボコにすることによってストレスを発散するような社会っていうのは、いい方向なのかな?って」と疑問を持つようになったという。
大竹さんが「(生きる上で)『楽しいことが中心だ』っていうのは、僕もとっても大事だと思うんです」と水を向けると、森永さんは「そうそう、そうなんです。我々何のためにこの世に生まれてきたのかって、人を袋叩きにするために生まれてきたんじゃないんだと思うんです。世の中に役に立たない(楽しい)ものが、こういう時代は一番役に立つんじゃないかな」と語った。
「どんな時も明るく前向きな生き様を見せてくださいました」
亡くなる前日まで精力的に活動を続けた卓郎さんの訃報に、SNSでは「もりたくさんへ お疲れさまでした、ボロボロになりながらもブンブン最後までふりまわしていましたね。お声を聞けなくなるのは残念ですが、僕は一番好きな経済ジャーナリストでした」「斜め上からの視点コメントとなんかほっこりする人柄... 大好きでした」など惜しむ声が相次いでいる。
前日に共演していた阿佐ヶ谷姉妹・渡辺江里子さんは、Xで「悲しいご報告を知ってしまいました。信じたくない、でも。月曜、あんなに気丈に一緒に歌ってくださっていたのに」と悲しみを明かした。そして、こう感謝の言葉を寄せた。
「パワフルでひたむきで揺るがぬ視点、どんな時も明るく前向きな生き様を見せてくださいました。森永卓郎さん、本当にありがとうございました。少しゆっくりお休みになってくださいね」
父、森永卓郎についてのご報告です。https://t.co/0Q8u5ifyCM
— 森永康平|闘う経済アナリスト (@KoheiMorinaga) January 28, 2025
既に各所からご連絡などいただいていますが、すぐには対応が出来かねますので、ご了承ください。
明朝6時からの文化放送「おはよう寺ちゃん」には予定通り出演します。
よろしくお願いいたします。 pic.twitter.com/o5OcRZ2tEq
悲しいご報告を知ってしまいました。信じたくない、でも。
— 阿佐ヶ谷姉妹 ワタナベエリコ (@asagayanoane) January 28, 2025
月曜、あんなに気丈に一緒に歌ってくださっていたのに。
パワフルでひたむきで揺るがぬ視点、どんな時も明るく前向きな生き様を見せてくださいました。
森永卓郎さん、本当にありがとうございました。
少しゆっくりお休みになってくださいね。