タレント中居正広さん(52)の女性トラブル問題で、社員関与疑惑が出たフジテレビの港浩一社長らが会見をやり直すまでになり、海外メディアも続々とこの問題を報じている。
そもそも同局の対応が大きな問題になり、スポンサーが続々とCM差し替えをした背景には、海外メディアなどの「外圧」の影響も指摘されている。この問題は、海外では、どのような捉え方をされているのだろうか。
スポンサー離れの背景に「MeToo運動」も
「日本の芸能界は、長く語られることのなかった性加害の問題に直面せざるを得なくなっている」
英BBCは2025年1月23日、日本語版の記事でも中居さんとフジテレビの問題を取り上げ、女性トラブルではなく「性加害の問題」だと踏み込んだ。
そして、同局が23年3月、故・ジャニー喜多川氏による性加害問題を報じ、その後に旧ジャニーズ事務所が謝罪して大騒動になったことに触れている。
実際、海外メディアでは、喜多川氏との文脈で今回の問題に触れるケースが多い。
1月に入って、週刊文春がフジテレビの社員関与疑惑について次々に報じると、12日ごろに、中居さんについて、喜多川氏が率いる旧ジャニーズ事務所に所属していたと、仏メディアなどが強調して大きく報じた。中居さん自身は、暴力行為はないとしており、性加害とは断定されていないが、欧米では、女性トラブルについて厳しい見方が広がっているとみられる。
海外メディアでは、旧ジャニーズ事務所は、日本で最も影響力が強かったとされ、喜多川氏の問題は、業界全体を反映しているとみる見方も多い。
米ニューヨークタイムズ紙は24日、自分も性被害に遭ったと告白する「MeToo運動」が日本でも激化したため、社員関与疑惑が出たフジテレビからスポンサー企業が次々に離れたとの内容を報じた。
スポンサーのフジ離れ、世論を気にしたとの見方も
同紙によると、ジャニー喜多川氏の問題で、スポンサーが何もしなかったと非難されたため、今回は、自らが変わったことを示そうと次々にCMを差し替えているという。喜多川氏の問題が転換点となり、性加害について不寛容な時代になったと同紙では指摘している。
今回の問題は、お笑い芸人の松本人志さん(61)の女性トラブル以上に海外メディアから注目を集めていると、1月25日ごろにXで話題になった。
「海外の方がこういうの厳しいからなぁ。。」「企業が関わってるとなるとヤバさの桁が違ってくる」「フジテレビは旧ジャニーズ問題で何を学んだんだ?」といった意見が書き込まれている。
女性トラブルに対して厳しいのは、メディアばかりではない。フジテレビの株を所有する米投資ファンドのダルトン・インベストメンツも、この問題に怒りを示し、第三者委員会を設置するよう求めた。港社長らの17日の会見についても、やり直しを求め、今回の再会見もどう評価するかは予断できないようだ。
「外圧」が影響しているかは不明だが、「やはり頼りになるのは海外だな」「外圧でしか改革ができないというのが悲しい」との声が上がり、海外の世論に敏感な大手スポンサーがフジテレビから離れているのもその影響ではないかとの見方も出ていた。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)