プロボクシングのスーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋、31)が2025年1月25日、仰天プランを明かした。
井上は「仰天」プランに前向き
井上は1月24日、東京・有明アリーナでWBO世界スーパーバンタム級11位キム・イェジュン(韓国、32)と対戦し、4回KO勝利で王座防衛に成功した。
世界タイトル戦から一夜明けた25日、井上は所属ジム会長の大橋秀行会長(59)と会見を行い、25年度の計画を明かした。
スポーツ紙などの報道によると、大橋会長は次戦について、米ラスベガスでWBC世界スーパーバンタム級1位のアラン・ピカソ(メキシコ、24)と対戦する計画を明かし、勝利すれば、元WBA・IBF同級王者で、現WBA同級暫定王者のムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン、30)を予定しているとした。
当初、25年度は世界タイトル戦3試合との見通しだったが、大橋会長はアフマダリエフ戦の後、1試合限定でフェザー級に上げ、WBA同級王者ニック・ボール(英国、27)と対戦する可能性を示唆。その後、再びスーパーバンタム級に戻す。
井上はこの「仰天」プランに向けて、前向きな姿勢を見せたという。
世界王者としては異例の年間4試合に加え、1試合限定のフェザー級。ボクシングファンを驚かせたプランは、井上の今後にどのような影響を及ぼすのか。J-CAST編集部は、多くの世界王者を育てたTMKジムの金平桂一郎会長(59)に話を聞いた。
「当時、具志堅さんは、『相当疲弊した』と」
金平会長は、元WBA世界ライトフライ級王者で、日本男子最多防衛の記録保持者でもある具志堅用高氏(69)を例に挙げ、井上の「仰天」プランに言及した。
「年間4試合は、具志堅さんが世界チャンピオン時代に2度やっている。当時、具志堅さんは、『相当疲弊した』とおっしゃっていました。1978年は世界戦3試合とノンタイトル戦1試合。79年は4度の世界戦をこなした。当時の世界タイトル戦は15回制(現在は12回制)でしたし、井上選手のようにノーダメージでというわけにはいきませんでしたから」
そして、こう続けた。
「フェザー級に上げてからスーパーバンタム級に戻すのは、ある意味リスクが高い。勝ち負けというよりも、コンディションに影響を及ぼすと思います。1度、フェザー級リミットの57.1キロに上げて、スーパーバンタム級の55.3キロに戻す。世界タイトルマッチなので、世界戦仕様のフェザー級の体を作って、また戻す。おそらく抜かりなくやっていくとは思うが、やはりそこに不安がある。勝ち負けというよりも、その先のコンディションに影響するのではないかという懸念がある」
ボクシングファンを驚かせた井上の「仰天」プラン。計画通り、25年は世界タイトル戦を4試合こなし、すべてに勝利すれば、26年にスーパーバンタム級に階級を戻し、現WBC世界バンタム級王者・中谷潤人(M・T、27)との対戦が見えてくる。