「当時、具志堅さんは、『相当疲弊した』と」
金平会長は、元WBA世界ライトフライ級王者で、日本男子最多防衛の記録保持者でもある具志堅用高氏(69)を例に挙げ、井上の「仰天」プランに言及した。
「年間4試合は、具志堅さんが世界チャンピオン時代に2度やっている。当時、具志堅さんは、『相当疲弊した』とおっしゃっていました。1978年は世界戦3試合とノンタイトル戦1試合。79年は4度の世界戦をこなした。当時の世界タイトル戦は15回制(現在は12回制)でしたし、井上選手のようにノーダメージでというわけにはいきませんでしたから」
そして、こう続けた。
「フェザー級に上げてからスーパーバンタム級に戻すのは、ある意味リスクが高い。勝ち負けというよりも、コンディションに影響を及ぼすと思います。1度、フェザー級リミットの57.1キロに上げて、スーパーバンタム級の55.3キロに戻す。世界タイトルマッチなので、世界戦仕様のフェザー級の体を作って、また戻す。おそらく抜かりなくやっていくとは思うが、やはりそこに不安がある。勝ち負けというよりも、その先のコンディションに影響するのではないかという懸念がある」
ボクシングファンを驚かせた井上の「仰天」プラン。計画通り、25年は世界タイトル戦を4試合こなし、すべてに勝利すれば、26年にスーパーバンタム級に階級を戻し、現WBC世界バンタム級王者・中谷潤人(M・T、27)との対戦が見えてくる。