今年(2025年)こそ女性が働きやすくなる環境になるだろうか。
働く主婦・主夫層のホンネ調査機関「しゅふJOB総研」(東京都新宿区)が2024年1月16日に発表した「2025年の女性に働く環境意識調査」によると、「働きやすくなる」と答えた女性が半数を超えた。
前向きな女性が半数を超えたのは初めてのこと。もっと働きやすくなるには何が必要か。専門家に聞いた。
「ガラスの天井があらゆるところにある」
しゅふJOB総研の調査(2024年11月26日~12月8日)は、就労志向のある既婚女性791人が対象。
2024年を振り返り、女性が働きやすくなった実感があるかを聞くと、「ある」が35.4%で、22年、23年に比べ3年連続で上昇した【図表1】。
働きやすくなった実感の理由の理由を聞くと(複数回答可)、「働く女性の数が増えてきた」(63.6%)、「産育休や在宅勤務などの制度が充実してきた」(46.1%)などが上位に並んだ【図表2】。
そして、2025年の予測として「女性が働きやすくなると思うか」を聞くと、過半数の54.6%が「思う」と答えた。これは過去3年の調査で初めて半数以上に達した【図表3】。
さらに、2025年は女性が働くうえでどんな年になるかの予測を聞くと、「これまでより自由にキャリアを選べるようになる」(46.4%)、「企業が、女性が働くことの価値をさらに認める」(34.4%)などが上位に並んだ【図表4】。
フリーコメントでは、「2025年は女性が働きやすくなると思う」という人からこんな意見が相次いだ。
「年収の壁、扶養の壁、社会保険の壁、これが取れれば壁に怯(おび)えずに働けるので、今より働くことへのハードルが下がると思う」(50代:派遣社員)
「男性の育児休暇取得が進んだ気がします。子育ては夫婦でするものという感覚が浸透してきていると思います」(40代:パート/アルバイト)
「性別に関係なく優秀な人材をもっと有効活用できる社会にしていかなければ、日本はどんどん貧しくなると思う」(50代:派遣社員)
「私は結婚退職が当たり前の時代に結婚して出産、子どもが保育園に入ってから旦那の扶養内で130万円の壁を意識のパート勤めでやってきた。結婚後も当たり前のように共働きで、育休後仕事復帰、在宅勤務&子どもに合わせた勤務シフトでバリバリ働く娘を見て、会社も社会も私たちの頃とはまったく違うんだなと実感します」(50代:今は働いていない)
一方、「女性が働きやすくなるとは思わない」という人から厳しい意見が寄せられた。
「ガラスの天井があらゆるところにある」(60代:パート/アルバイト)
「フルタイムで働いても家事育児は私がしている。お金がなく働かないといけないが、結局私がしんどい思いをしているだけ」(40代:正社員)
「在宅ワークが減り、出社型の働き方が増えた。その分、小さい子を持つ親は通勤時間やお迎えの時間も考えて働かなきゃいけなくなり、収入が減るし、昇格の機会も減った」(40代:パート/アルバイト)