リスクを想定していない管理職が問題
このほか、アウトプットの品質も懸念される。アルバイトが行った業務の質が基準を満たしていない場合、結果として会社が被害を被るおそれがあるというものだが、
「社員が最終確認を行い、責任を持つ形で進めるのであればリスクは軽減できるので、一概にはいえないかもしれませんね」
とAさん。「そして、本当に悩ましいのは、これらの問題がリモートワークを禁止しさえすれば解決するものではないことだ」と警鐘を鳴らす。オフィスに出社している場合でも、社員がアルバイトに業務を委託することは技術的に可能だからだ。
「出社している方が『事情聴取』しやすいという見方もありますが、それだけの理由で出社させるなんて本末転倒でしょう。真面目に働いている従業員のモチベーションが下がります。問題は、なぜそのようなことが悪いのか、どのようなリスクがあるのか、具体的に理解せず『ありえない』で済ませている管理職がいることでしょう」
Aさんは、管理職は部下に対し、具体的な例をあげながら「このようなことをするとリスクがあるから絶対にやめること」と伝え、「万一の場合には懲戒処分の可能性があること」などを伝えるのが大切だと指摘する。